イベリス
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第百八話 残暑が終わりその十一
「自分が辛いことになっても」
「一緒にいるものだな」
「実際支えてた人はいてくれたのよね」
「その連中に裏切られてもな」
「そうよね、そんな人はね」
「恰好いいな」
「最高にね、周りに何言われても」
それでもというのだ。
「友達の傍に寄り添うのはね」
「本当の友達でな」
「恰好いいわね」
「そう思わせる人こそがな」
「本当に恰好いい人で」
「咲もそうした人を見てな」
そうしてというのだ。
「学んでな」
「よくなっていくことね」
「言うまでもないがいい人をお手本にするんだ」
「そして悪い人は反面教師ね」
「そうするんだ、いい人も悪い人も知るべきだぞ」
「両方なのね」
「勿論悪い人をお手本にしたらいけないが」
それでもというのだ。
「色々な人にな」
「会うことね」
「そして見るんだ」
「そうして勉強していくことね」
「特に今の日本は個人崇拝の国じゃないな」
父はこのことも話した。
「北朝鮮みたいな」
「ああした国だと」
「もう将軍様を尊敬する様にな」
その様にというのだ。
「言うな」
「強制よね」
「そんな国だとな」
「あんな独裁者尊敬しろって」
「お手本にしろとかな」
「言われてもね」
「碌なことにならないな」
咲に言うのだった。
「誰がどう見ても」
「あの国そこもおかしいのね」
「そうだ、教育もおかしいんだ」
「だからああなってるのね」
「そんな国じゃないからな」
日本はというのだ。
「安心してだ」
「いい人も悪い人も見て」
「それぞれお手本、反面教師にするんだ」
「そうすることね」
「例えばね」
母がまた話した。
「咲がこれまで会った中で一番素晴らしい人をよ」
「お手本にすることね」
「歴史の偉人でもいいから」
「そうした人でもなのね」
「それで何人いてもいいから」
こうも言うのだった。
「尊敬出来る人はね」
「お手本にする人は」
「そうよ、反面教師もよ」
「何人いてもいいのね」
「お父さんの言う通りこれから色々な人に会って」
そうしてというのだ。
「自分もよくしていくの、人間はダイアモンドよ」
「そんなにいいもの?」
「違うの、ダイアモンドはダイアモンドでしか磨けないでしょ」
「そうそう、この世で一番硬いから」
咲もダイアモンドのこのことは知っている、ただし炭素であるので燃えてしまうという弱点がある。
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