ドリトル先生と桜島
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第九幕その七
「敗色濃厚となってもドイツ軍も奮闘したけれど」
「日本軍はまた違っていて」
「自分は死んでも相手を倒す」
「死んでも靖国神社に入る」
「そして英霊となっても日本を護るつもりだったんだね」
「それで死ぬまで、玉砕までね」
そうなるまでというのです。
「戦って敵を倒したからね」
「沖縄でも凄かったっていうしね」
「サイパンでもアッツ島でも」
「それで硫黄島でも」
「ペリリュー島でも」
「特に硫黄島なんてね」
この島ではとうのです。
「完全に包囲されて制空権も制海権もなくて」
「もう終わりだね」
「どう考えても負けるよ」
「戦っても全滅するだけだよ」
「絶対に勝てないわ」
「その状況でも戦い抜いて」
そうしてというのです。
「玉砕したけれど自分達より多くの敵を倒したんだ」
「完全に囲まれて」
「それで空も海も完全に敵のものになっていて」
「それでもだったのね」
「そうだよ、戦い抜いて」
最後の最後までというのです。
「玉砕したけれど」
「それでもだね」
「自分達より多くの敵を倒したんだね」
「絶対に全滅する状況で」
「そうしたんだね」
「そうだよ、そして戦死したけれど」
それでもというのです。
「その魂は東京の靖国神社に入って」
「本当に死んでも日本を護っているんだ」
「今も尚」
「そうしてるんだ」
「特攻隊の人達も」
「そうだよ、日本に来てそうしたことがわかって」
それでというのです。
「今はこの上なく美しいと思っているよ、ではね」
「うん、これからね」
「中に入って」
「資料を見よう」
「そうしよう」
こうお話してでした。
皆で資料館に入りました、そこにはです。
日本の国旗、日章旗に日の丸を中心に傘上に名前を書いたものにと特攻隊の人達の遺品に写真、そういったものがあってです。
逸話等も紹介されていました、その中にはです。
「へえ、野球選手もいたんだ」
「石丸進一さんだね」
「中日のピッチャーだったんだ」
「こんな人もいたんだ」
「この人のことは聞いていたけれど」
それでもと言った先生でした。
「こうして資料を目にすると」
「もっとわかるね」
「この人のことが」
「そうなるね」
「最後に投げて出撃したのがね」
このことがと言うのでした。
「悲しくてそして」
「見事だね」
「本当に奇麗だよ」
「真の心があって」
「それでね」
「全くだよ、ピッチャーとして投げて出撃して」
そうしてというのです。
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