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八条学園騒動記

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第七百八話 連合の狼その十一

「犯罪者の人権は存在しないですね」
「凶悪犯の場合はな」
「何の躊躇もなく惨い処刑を行いますか」
「様々な方法でな」
「そしてその中にですね」
「感染症にさせてのものもあってな」
 そしてというのだ。
「狂犬病もだ」
「感染させますか」
「他にはエボラ出血熱や梅毒もある」
「そして苦しせて死刑にしますか」
「そうしている、連合では狼は残酷でなくともな」
「市民が残酷なのですね」
「犯罪者、凶悪犯の人権なぞsん材ない国だ」
 一切というのだ。
「だからな」
「そうしていますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「平然とな」
「碌でもないですね」
「だが生きものはそれこそ毒でもないと食べてもな」
 それでもというのだ。
「こうして大事にしてな」
「残酷なこともしないですね」
「家畜も自然の生きものも大事にする」
 その両方をというのだ。
「それでだ」
「生きものの命は大事にしますか」
「そうなのだ」
「凶悪犯は残酷に殺し」
「ゆっくりと時間をかけて激しい苦痛を与えてな」
 そうしてというのだ。
「そうする」
「その反面ですね」
「生きものは大事にする」
「罪がないからですか」
「その通りだ」 
 まさにという返事だった。
「罪がないならな」
「連合では残酷さは発揮されないですか」
「凶悪犯には何をしてもいい」
「それが連合ですね」
「この国の考えだ」 
 そうであるというのだ。
「あの吐き気がする残酷な処刑もな」
「数多くのそれも」
「連合からしてみるとな」
「彼等の考えがあるのですね」
「そうだ、拷問的処刑とも言われるが」
 エウロパではだ。
「しっかりとな」
「理由があるのですね」
「行うな」
「そうですか」
「そのことを理解することもな」
 それもというのだ。
「大事だ」
「連合を知るうえで」
「敵を知り己を知る」
 その両方をというのだ。
「それこそがな」
「国家には大事で」
「それでだ」
「連合を知ること自体がですね」
「必要なことなのだ」 
 エウロパにとってというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「こうして狼もな」
「見ていきますね」
「そして他の家畜達もな」
「これよりですね」
「見ていくぞ」
 こう言ってだった。
 大尉は上等兵を連れてそのうえで牧場の中にさらに入っていった、そうして他の家畜達も見ていくのだった。


連合の狼   完


                    2023・3・16 
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