神々の塔
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第二十六話 ワルキューレ達その十一
「そやからな」
「あの娘だけはなってへんな」
「実際にそやったしな」
それでというのだ。
「あの娘はな」
「入ってへんかもな」
「いや、シェリルちゃんに付き合って」
それでとだ、芥川は中里に答えた。
「それでや」
「入ってるか」
「多分な」
そうだというのだ。
「あの娘もな」
「そうしてるか」
「付き合いのええ娘やから」
それ故にとだ、芥川はさらに話した。
「そうしてるで」
「そう言われるとそやな」
中里もそれはと応えた。
「あの娘はそうした娘や」
「そやな、それで僕等は今はな」
「このサウナでやな」
「思い切り汗をかいて」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「酒を抜いてな」
「二日酔いから復活して」
「冒険の再開やな」
「そや、とことんや」
兎角というのだ。
「今はな」
「どんどん汗かいてな」
「酒抜こうな」
「わかったわ、そういえばサウナはフィンランドやが」
「ワルキューレさん達はノルウェーや」
この国の神々だというのだ、よく言われる北欧神話というのはノルウェーの神々と彼等の神話のことなのだ。
「そやからな」
「サウナやないな」
「今はあってもな」
「サウナの本場かというとやな」
「そこはちゃう」
こう言うのだった。
「同じ北欧でもな」
「そういうことやな」
「ああ、北欧いうてもな」
「何ヶ国があってな」
「それぞれ文化があってな」
「神話もやな」
「フィンランドはカレワラや」
こちらの話だというのだ。
「そやからな」
「北欧神話とはまた別やな」
「そや、それで今はな」
「サウナで酒を抜くな」
「こうしてな、実際どんどん抜けていってるやろ」
「ああ」
その通りだとだ、中里は答えた。事実頭痛も身体の倦怠感も汗をかいて急激に解消されていっている。
「これで水風呂入ってな」
「またサウナ入ったらな」
「もう完全にな」
そう言っていいまでにというのだ。
「抜けてるわ」
「そやな、それでお酒抜いたらな」
「またな」
「冒険や」
「そうしよな」
こうした話をしてだった。
一行は今は二日酔いを解消していた、サウナでのそれはかなり効いていて彼等はあっという間に二日酔いを解消してまた冒険に入ったのだった。
第二十六話 完
2023・5・15
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