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神々の塔

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第二十六話 ワルキューレ達その七

「言われてみたら」
「暴れて飲んで遊んでって」
「ドキュンやな」
「人やとな」
「ドキュン結構よ」
 そうした言葉を聞いてもだった、ブリュンヒルテは笑っていた。見れば他のワルキューレ達も笑っている。
「それが私達だからね」
「そやからですか」
「別に訳もなく暴れたり殺したりしないから」
 だからだというのだ。
「道に外れたことはしないしそれが私達の仕事だから」
「戦がですか」
「そして飲んで遊んで歌うこともね」
 こうしたこともというのだ。
「エインヘリャル達を集めて彼等の稽古とかをしてね」
「そうなんですね」
「宴になったら歌や踊りも披露してね」
「ステージで」
「ええ、あと最近は前にあんた達の前に出たわね」
「ターリヤが召喚して」
「人に召喚されて戦うこともね」
 尚この時シェリル達十星連合の者達はターリヤが召喚したワルキューレ達にかなりの損害を被っている、九柱の神々が一度に出ればどれだけの軍勢でも苦戦するということだ。
「してるわ」
「そうですか、そして今は」
「この塔のこの階でね」
「私達と戦いますか」
「そうさせてもらうわ、ではいいわね」
「はい、ほな」
「戦いましょう」
「そうさせてもらいます」
 シェリルが頷くとだった。 
 戦闘がはじまった、早速だった。
 十人はいつもの通りそれぞれ散開し陣を敷いた、そこにワルキューレ達が一柱ずつ来るが神霊達は一撃を繰り出すとだった。
 交代し次のワルキューレが来る、一柱ずつでも交代して戦うことによりチームプレイを行っていた。
 その状況を見てだ、綾乃は言った。
「こうした戦い方もあるんやね」
「そやな」
 中里が応えた。
「交代で戦う」
「一撃つまり一ターンになるね」
「その都度な」
「いや、こうされたら」
 綾乃は大蛇の背から言った。
「正直結構以上に厄介やね」
「ああ、すぐに同じワルキューレさん達でも」
「別の方が来てちゃうとこはちゃうから」
 ワルキューレでもそれぞれ個性があるのだ、そしてその個性で以て戦っているのだ。
「それで戸惑うね」
「攻撃与えてもすぐに倒せへんし」
「困るわ」
「ああ、しかしな」
 それでもとだ、中里は鵺の背に乗って宙に浮かんでいる状態で言った。その声は落ち着いたものだった。
「戦やと疲れたらその部隊を交代させてな」
「新手の部隊を前線に出す」
「そうしたやり方もある」
「戦術でも戦略でもやね」
「そやからな」 
 それでというのだ。
「それと同じや」
「そういうことやね」
「ただ受けたダメージはな」
「回復してへんとそのままやね」
「どうも交代して休んでる間に回復させてへんし」
「そんなことはしないわ」 
 今戦っているゲルヒルデが答えた。
「それはこうした勝負では卑怯でしょ」
「戦場ではよおてもですね」
 中里が応えた。 
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