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八条学園騒動記

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第七百七話 体育館その五

「ローマ帝国でもな」
「同じですね」
「そうだ、ローマ皇帝はな」
「その権力の源泉はですね」
「軍の最高司令官だったことがだ」
「大きかったですね」
「英語でのエンペラーはな」
 この言葉の話もした。
「インペラトール、ラテン語のそれを英語読みにしたものだ」
「軍の最高司令官であることを」
「初代ローマ皇帝オクタヴィアヌスは一見共和制を守ったが」
 それがというのだ。
「しかしだ」
「そこにですね」
「軍の最高司令官の地位をな」
「持っていて」
「それを忘れずにな」
 まさにというのだ。
「そしてだ」
「皇帝になりましたね」
「それだけ軍隊の最高司令官であることは大きくな」
「エウロパ総統も然りですね」
「しかしだ」
 それでもとだ、大尉は上等兵に話した。
「総統は共和制の国家元首であるとな」
「憲法でも明記されていて」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「選挙を経てな」
「選ばれていますね」
「そして任期がありな」
「選挙に敗れるとですね」
「落選する、それではな」
 こうした役職だというのだ。
「皇帝ではだ」
「有り得ないですね」
「選挙で君主を選ぶ国も存在した」 
 欧州ではこうした国家も存在した、かつてのポーランド等がそうである。
「だがそれは貴族同士の間でだ」
「そうするものであり」
「神聖ローマ帝国もな」
 そのローマ帝国の後継国家のうちの一国とされるこの国もというのだ、この場合は東西に分かれたうちの西ローマ帝国のそれになる。
「やはりな」
「選帝侯があり」
「選ばれていたが」
「こちらも大貴族か大司教であり」
「エウロパ総統の選挙とは違う」
 大尉は言い切った。
「総統は男女普通選挙でだ」
「行われ」
「そしてやはり任期がありな」
「政党のトップになった人が選ばれます」
「そうだな」
「そして落選もです」
「あるな、それではな」
 そうしたシステムになっていてはというのだ。
「君主国家とはな」
「言えないですね」
「そうだ、共和制とだ」
「言えますね」
「共和制と称していてもだ」
 逆にとだ、大尉はこのケースも話した。
「世襲で選挙もないならな」
「それは君主制ですね」
「そんな国もあった」
「人類社会には」
「北朝鮮がそうだった」
 この国のことを話すのだった。
「あの国は共和国と言っていた」
「国名はそうであり」
「もっと言うと民主主義人民とだ」 
 その様にもというのだ。 
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