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八条学園騒動記

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第七百七話 体育館その四

「そうする」
「それが連合では王室の者も」
「日本の皇室でもな」
「そうしていますね」
「皇室だぞ」
 大尉は顔を顰めさせて言った。
「エウロパにすらない」
「はい、連合でも日本とです」
「後はエチオピアだけだ」
「サハラが統一されればですね」
「統一した者が皇帝になるが」
 しかしというのだ。
「皇帝そして皇室ともなれば」
「オーケストラは個人で、です」
「聴ける」
「他の客達を排除して」
「プライベートでな」
「それも出来ますね」
「そうだが」
 それがというのだ。
「しかしな」
「日本の皇室は」
「その中に入る」
 オーケストラのというのだ。
「そして指揮を受けてな」
「演奏するな」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうしています」
「日本が何故エウロパで特に嫌われるか」
「アメリカや中国と並んで」
「それは大国でありな」
 このことに加えてというのだ。
「さらにだ」
「皇室があるからですね」
「エウロパには数多くの君主家が存在するが」
「そうですね」
「だがどの家もな」
「王室までですね」
「そうだ、王は皇帝の下にあり」
「皇帝に王であることを許され」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「皇帝に仕える」
「そうした立場ですね」
「王は至高の存在ではない」
 大尉は言い切った。
「その実はな」
「だからエウロパで皇帝となると」
「総統だ」
 この立場の者だというのだ。
「エウロパで皇帝と言えばローマ皇帝だ」
「ローマ帝国の」
「エウロパも実はだ」
「はい、ローマ帝国です」
「その後継国家だ」
「そうです、これが」
「しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「皇帝はな」
「今はいませんね」
「エウロパ総統がいてな」
「総統は国家元首です」
「強い権限を持ち」
「軍の最高司令官でもあります」
「その軍の最高司令官であることはな」
 このことはどの国でも同じである、国家元首はそれぞれの国家の軍の最高司令官でありそれを統率しているものだ。
 このことについてだ、大尉はさらに語った。 
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