神々の塔
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第二十六話 ワルキューレ達その四
「しかしな」
「無敵やないか」
「この世に無敵なもんはない」
一切とだ、芥川はリーに話した。
「一切な」
「それが神霊さん達でもやな」
「アホなプロ野球の監督は自分のエースがライバルと戦うだけ力が出ると思って投げ続けさせてな」
「最後打たれたか」
「大甲子園って漫画でな」
水島新司先生の代表作の一つである、この野球漫画の巨匠が描いてきた登場人物たちが一堂に会する作品である。
「球道くんをドカベンにぶつけてな」
「最後負けたか」
「延長十八回の次の日の試合でもやってな」
「スタミナ考えんかったか」
「どうもな」
「それはアホやな」
「大谷翔平さんかて討たれる時もある」
この水島先生の漫画ですら出ない様な超人でもというのだ。
「三振する時もある」
「そもそも投打二刀流が常識外れでもな」
「必ずな」
それこそというのだ。
「打たれる時がある」
「そして三振する時もある」
「そうやさかいな」
「神霊さん達でもやな」
「そや、それでワルキューレさん達もな」
次に戦う彼女達もというのだ。
「戦い方がある」
「足腰を攻めるか」
「そや、普通の騎兵やと馬を狙うとな」
「ええな」
「将を射るにはまず馬を射ろでな」
この諺にある通りにというのだ。
「まずはな」
「馬を狙うな」
「そや、それでや」
その為にというのだ。
「馬を狙うが空を飛ぶんやったらな」
「意味がないか」
「それで馬を倒してワルキューレさん達だけにしたら」
そうなった場合のこともだ、芥川は話した。
「その足腰が自由になってな」
「格闘術使われてか」
「かえって厄介かも知れんからな」
そう考えられるからだというのだ。
「ここはな」
「馬に乗ったままの状態で戦う」
「そうしてこな、僕やアレンカールやと乗りものの神具から一時飛び移ることも出来る」
「そうそう、あたい達の体術ならね」
アレンカールも言ってきた。
「そうしたことも出来るわ」
「八艘飛びみたいな感じか」
「そうよ、そんな風にね」
アレンカールもリーに話した。
「出来るわ」
「相手に馬に飛び乗ってか」
「一撃離脱で攻撃して」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「自分等の神具に戻るか」
「また飛んでね」
「随分トリッキーな戦が出来るな」
「あたい達はね、ナツァグドルジちゃんも馬から馬に飛び移ってるでしょ」
「曲芸みたいにな」
彼は馬を走らせる時そうしたこともして進むことが出来るのだ、そしてこれが星の者達の間でも評判になっているのだ。
「もっと言えばモンゴル人はな」
「あの人達はまさに騎馬の民だから」
「そんなことも出来るな」
「ええ、ただ彼はモンゴル相撲は出来ても」
それでもというのだ。
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