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おぢばにおかえり

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第七十五話 天下茶屋その十六

「じゃあ二杯目いただきますね」
「ええ、しかし新一君って私以外には謙虚ね」
 このことを今再認識しました。
「随分と」
「カレーの量は多いですよ、入れたのは」
「そういうことじゃなくて態度がね」
 それ自体がです。
「謙虚ね」
「そうですか」
「図々しいのが嫌いだからなのね」
「それは本当に嫌いですね」
「それでなの?」
「絶対にありますね」
 カレーを食べながら言ってきました。
「それは」
「そうなのね」
「自分の都合のいい時だけへらへらする奴も嫌いですし」
「品性疑うわね」
 そんな人はです。
「そうだと」
「ですから」
「そうした人にはならない様になの」
「図々しくしないで」
 そうしてというのです。
「あとどんな人にもです」
「自分の都合のいい時だけはなのね」
「へらへらしない様にしてます」
「そこはいいことね」
 確かに嫌いな相手は徹底的に嫌うけれどです。
「新一君の長所よ」
「いつもそうなる様にしています」
「兎に角図々しかったり人にそうした態度を取らないのね」
「嫌いですから」
「そこが大きいのね」
「図々しいのとか厚かましいのとか」
 そうしたというのです。
「親戚や中学の時に知ってる奴いますから」
「知ってるなのね」
「嫌いなんで友達とはです」
 その様にはというのです。 
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