おぢばにおかえり
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第七十五話 天下茶屋その十三
「そうです、風来坊な感じですね」
「ふらふらしてるの?」
「自分でもそうだと思います」
こう私にお話してくれました。
「一人で八木とか桜井とか高田にも行きますしね」
「最近西大寺も行ってるのよね」
「あちらもわかってきました、奈良も行きますね」
「何処も一人で行くのね」
「気楽に。橿原神宮も郡山も」
「一人旅好きそうね」
お話を聞いて思いました。
「それだと」
「そうですね、してみたいですね」
「そうなのね」
「けれど今は二人でも」
私を見て言ってきました。
「いいと思います」
「そうなのね」
「はい、それもいいですね」
「そうよね、それじゃあ一緒に行く人大切にしてね」
このことを言うことも忘れませんでした。
「そうしてね」
「絶対にそうします」
「そのことはお願いね」
「ええ、じゃあ商店街を一通り見て回ったら」
新一君はお話の中も私を案内してくれながら言いました。
「その次は」
「大叔母さん達のお家になのね」
「案内させてもらいます」
「その時も宜しくね」
「それじゃあ。あとここ美味しいお店もありますけれど」
「お昼は教会でね」
ひのきしんをさせてもらったそちらで、です。
「カレーをね」
「じゃあ僕もですか」
「そうなってるわ」
「そうですか、いいお店紹介出来るんですが」
新一君は残念そうに言いました。
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