おぢばにおかえり
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第七十五話 天下茶屋その十二
「本当にね」
「そうですよね、ですから」
私にさらにお話しました。
「僕はそうした相手が友達だって思っています」
「どちらかがなのね」
「その時にわかるものだって」
「何か凄い考えね」
思わず新一君を見て言いました。
「それは」
「そうですか」
「ええ、何でそんな考えに至ったの?」
「親戚の人に言われたんです」
「親戚の人?」
「大叔父さんの一人に」
その人にというのです。
「言われました」
「そうだったのね」
「友達っていうのはその時にわかるって」
「亡くなった人を大事に思えばなのね」
「それでお亡くなりになった人も」
そちらの人もというのです。
「その人が悲しんでいるのを見て」
「魂だけになって」
「その時にわかるって」
「シビアっていうかね」
その考えについて思いました。
「寂しい考えね」
「色々あったと思います、大叔父さんも」
「それでそう言われるのね」
「そうでしょうね、それで僕もそう言われて思いました」
「友達はどちらも生きているとわからないのね」
「それで片方が死んだら」
その時にというのです。
「わかるものだって」
「新一君はその考えなのね」
「だから今友達とは」
その様にはというのです。
「わかる人いないですね」
「それ誰にも言ってるの」
「はい、それで一人でいる時は多いですね」
「それで色々言ってるのね」
「気楽に」
「そうしてるのね」
「はい」
新一君は私に答えてくれました。
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