ドリトル先生と桜島
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七幕その四
「そんなイメージだよね」
「信長さんって」
「けれど実はどうか」
老馬は言いました。
「かなり違うみたいだね」
「うん、信長さんは実は我慢強い人だったよ」
短気ではなかったというのです。
「それで必要な時以外血を流さなかったし」
「残酷でもなかったんだね」
「その実は」
「よく言われているけれど」
「無駄な殺生はしなくて」
それでというのです。
「人々の為に善政を敷いていたしね」
「何か独裁者みたいでね」
「恐れられてたいたかというと」
「違ったんだ」
「悪い人は容赦せず罰してね」
そうしてというのです。
「年貢も重くなかったし産業も盛んにさせて」
「国を豊かにして」
「民の人達もなんだ」
「そういう風にしていたんだ」
「そうだよ、兵農分離でお百姓さんを兵隊にすることもしなかったし」
それもなかったというのです。
「もうね」
「何かとだね」
「民にはいいお殿様だったんだ」
「信長さんは」
「だから慕われていたんだ」
民衆の人達からはというのです。
「それこそ元服して政治をはじめたら」
「すぐになんだ」
「民衆の人達は信長さんを慕ったんだ」
「そうなったの」
「そうだよ」
まさにというのです。
「秀吉さんの奥さんに優しいお手紙を送ったりね」
「それも意外だね」
「前にもお話してくれたと思うけれど」
「人を人と思わない人じゃなくて」
「思いやりのある人だったんだね」
「そうだよ、あとお酒を飲まなかったことがね」
信長さんのこのこともお話するのでした。
「皆意外に思うね」
「甘いものが好きで」
「それで茶道も嗜んで」
「普及させたんだね」
「そうなんだ、そして信長さんを無神論というのは」
それはといいますと。
「本当に間違いだからね」
「信長さんなりに神仏を信じていて」
「否定していなかった」
「そのことも大事だね」
「何か信長さんのイメージってね」
「これまでの物語と違うのよね」
「そしてお寺も焼いてないからね」
その実はというのです。
「信長さんの実像は冷酷で残酷な独裁者じゃなくて」
「無神論者でもなくて」
「民衆のことを考えて思いやりもある」
「それで神仏も信じている」
「甘いものが好きな人だったんだね」
「そうだよ、だから人もついてきたんだ」
そんな信長さんだからだというのです。
「僕も調べてわかったよ」
「とても魅力的な人だね」
「その実は」
「優しさもあって」
「そうなんだ、ただ鉄砲を沢山使ったことは事実で」
このことはというのです。
ページ上へ戻る