八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第七百五話 巨人の様にその十一
「しかしな」
「優秀ですね」
「衆愚共だが勤勉でだ」
「中には優秀な者達もいる」
「いや、優秀だ」
連合の者達はとだ、大尉は言い切った。
「連合の者達はな」
「衆愚とは言っても」
「あの首相殿だけでなく勤勉という意味ではな」
「連合は優秀ですか」
「殆どの者がな、確かに蟻や蜂の様だが」
軽蔑してこう言ったがというのだ。
「確かにな」
「彼等は勤勉であり」
「そうした意味で優秀だ、学生達ですらだ」
「日々学業とスポーツに励み」
「遊びでもな」
「率先していますね」
「動きは止まらない」
まさに寝る時以外というのだ。
「発展を続けているからな」
「決してですね」
「劣っはいない、だから学校もな」
「設備が整っていますね」
「そうだ、発展し続けているからな」
それ故にというのだ。
「ここまでだ」
「いい設備なのですね」
「他の国にはない」
「まさに連合ならではですね」
「それを見るとな」
「連合はですね」
「他の場所でもな」
学校だけでなくというのだ。
「非常に見事なものだ」
「どの場所の設備も」
「民間の設備が何処もいい」
「それはですね」
「その国が豊かである証だ」
「その通りですね」
「食事がよく服もよく」
そしてというのだ。
「設備もいい」
「そうであるならですね」
「その国はかなり豊かでな」
「国力が高いですね」
「連合の国力は圧倒的だ」
こうもだ、大尉は言った。
「他の国に比較してな」
「それも何百倍も」
「それだけの豊かさを手にしてだ」
「さらに豊かになっていますね」
「それはな」
まさにというのだ。
「この国の者達の努力とだ」
「優秀さの結果ですか」
「そうだ、そのことを認めないとだ」
「見誤りますね」
「そうなってな」
そしてというのだ。
「失態を犯す」
「そうなるので」
「だからだ」
「連合の学園の中のですね」
「優れた設備も見てな」
そうしてというのだ。
「その優秀さとな」
「豊かさをですね」
「しかと理解することだ」
「それが絶対のことですね」
「この国にいるのならな」
それならとだ、こう言ってだった。
大尉は上等兵と共に八条学園高等部の中を見て回った、そのうえで。
学園の中をさらに見ていくのだった、敵地への見学はまだ続いていた。
巨人の様に 完
2023・2・23
ページ上へ戻る