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神々の塔

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第二十四話 夢幻の森その九

「あんた達も」
「そう言う貴方がオニャノコポンですね」
「ああ、日本の神霊さん達からいつもこの名前を言われるよ」
 芥川に笑って返した。
「私の名前が面白いってね」
「そうなんですね」
「この前ニャメと飲んでいた巴御前さんもな」 
 この神霊もというのだ。
「言っていたよ」
「面白い名前やと」
「そうだよ」
「全く、胸のことにはこだわるし」
 ニャメも言って来た。
「叩き叩かれの話になって」
「ははは、巴さんも砕けてるからな」
「かなり野性的な人だから」
「私達並にな」
「そんな冗談も言うのよね」
「そしてやるな」
「ああ、巴御前さんは当時都から全く縁のないところで生まれ育ったんや」
 芥川も言われてだ、このことを思い出した。
「そやったわ」
「木曽の方か」
「ああ、今の起きた世界で言う長野県でな」 
 メルヴィルにこう答えた。
「木曽は鬱蒼と木々が生い茂った」
「そんな場所でか」
「お父さんが身内同士の争いで死んでな」
 木曽義賢である、彼を討ったのは彼の兄義朝の長男である悪源太義平であった。
「それからな」
「あそこで暮らしてたんやな」
「当時あそこは東国や九州よりも田舎でな」
 そうした地域でというのだ。
「暮らしかてな」
「野生やってんな」 
 トウェインも聞いてきた。
「あそこは」
「ああ、その話は滝沢とか雅ちゃんに聞いたらええわ」
 十星連合の星の者達ではというのだ。
「政宗とかな」
「そやねんな」
「この三人は長野県にもよお行ってて地元のモンもおるしな」 
 それ故にというのだ。
「しかもこの世界では治めてたし」
「木曽も勢力圏にして」
「よお知ってるからな」
 それでというのだ。
「聞けばええわ」
「木曽のことは」
「そや」 
 芥川はトウェインに話した。
「そうしたこともな」
「それで巴さんはか」
 羅も言ってきた。
「あの人もそんな人やったか」
「別嬪さんでもな」
「野生な美人さんやな」
「そやから戦場にも出てな」
 そうしてというのだ。
「敵を押さえつけて首を捻じ切る」
「そんなことするんやな」
「まあ捻じ切るっていうてもな」
 この話は平家物語にある。
「刀で傷入れてな」
「それからやな」
「そうやと思うけどな」
「そのまま首捻じ切ったら凄いな」
 羅が見てもだった、このことは。
「どれだけ野性的で怪力か」
「そうなるな」
「ああ、流石にな」
 それこそというのだ。
「そうなるわ」
「そやからな」
 だからだというのだ。 
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