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星河の覇皇

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第八十四部第二章 交渉の用意その三十三

「しかも攻撃を受けるとな」
「脆いですね」
「コロニーの外郭を破壊されたなら」
 それだけでという口調での言葉だった。
「もうだ」
「それでコロニー内の市民は全滅です」
「また内部に毒ガスでも流されるとな」
「それでもですね」
「コロニー内の市民は全滅だ」
 そうなってしまうというのだ。
「実際にそうしたことを考えたテロリストも多い」
「そして実行に移されて」
「多くの犠牲者が出た事件もあった」
「コロニーの弱点ですね」
「あれだけ脆いものはない」
 ギルフォードは難しい顔で述べた。
「過去のSF作品では人類の多くがスペースコロニーに居住しているが」
「それを現実に行うと」
「問題が多い」
「そしてエウロパは実際に」
「その問題に直面してきた」
 その歴史の中でというのだ。
「予算や資源を多く使うが」
「収容人口は少なく」
「資源も生み出さずな」
「そして脆さもある」
「そうした多くの弱点があるからだ」
 だからだというのだ。
「私はもうだ」
「コロニーの建設は行わないですか」
「積極的にはな、必要なものは建造するが」
 それでもというのだ。
「連合がそうしている様にな」
「惑星及び衛星の開発、開拓にですね」
「移る、そうしてだ」
「人口を増加させ」
「資源を手に入れてだ」
 進出する星にあるそれをというのだ。
「そしてだ」
「その資源を力にする」
「そして田畑を耕し牧場をもうけ」 
 そうしてというのだ。
「街も築いてだ」
「そこに住んでいきますね」
「そうしてだ」
「発展していきますね」
「今そのスタートラインに立った」
 エウロパ、この国はというのだ。
「私の手によってな」
「それで、ですね」
「多くの星をだ」
 エウロパの領内にある惑星や衛星をというのだ。
「開発、開拓してだ」
「人を住める様にしていき」
「移住して社会を築いていく、若しその国や領主が出来ないなら」
 その場合はというと。
「中央政府がだ」
「直接行いますね」
「予算も人材もだ」
 その両方をというのだ。
「出してだ」
「そのうえで発展させる」
「そうする、そしてその発展を順調に行う為に」
「サハラとはですか」
「講和してだ」
 そうしてというのだ。
「後顧の憂いをなくし」
「敵を連合に絞り」
「敵が多くなることによる負担増加を防ぎ」
「そして発展に力を注ぐのだ」
 その様にするというのだ。
「我々はな」
「そうですか」
「軍事費は既にかなりの額になっている」 
 ここでギルフォードはこのことも話した。 
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