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八条学園騒動記

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第七百五話 巨人の様にその五

「植民地もだ」
「独立しました」
「そうなってだ」
「それからも力を失い」
「連合創設からもだ」
 そこからもというのだ。
「何度もな」
「煮え湯を飲まされました」
「日本にもそうだが」
「連合全体に」
「そう思うとな」
「侮るなぞですね」
「愚の骨頂だ」
 こう言うのだった。
「侮ればその時点でだ」
「敗れますね」
「そうした話は実に多い」
 大尉は真剣な顔で述べた。
「何につけてもな」
「その通りですね、スポーツでもです」
「侮ればな」
「終わりです」
 まさにその時点でとだ、上等兵も言った。
「だから嫌ってもですね」
「相手を侮らないことだ」
「その長所はですね」
「完全に把握してな」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「対するべきですね」
「それが出来てこそだ」
 まさにというのだ。
「勝てる」
「その通りですね」
「いるな、相手をスポーツの練習でも馬鹿にする奴が」
「はい、実に」
「そんな奴はどう思われる」
「何時か負ける、そして」
 上等兵はさらに言った。
「その卑しい人格をです」
「侮られるのではなくな」
「軽蔑されます」
「忌み嫌われてな」
「そうなります」
「そうなる、相手を侮りな」
「馬鹿にするなら」
 それならばと言うのだった。
「自分自身がです」
「否定される」
「それが侮りがもたらす結果ですね」
「誰でもだ」
「侮らないことですね」
「連合に対してもな」
「左様ですね」
「思えばだ」
 さらにだ、大尉は言った。
「白人至上主義なぞはだ」
「いらなかったですか」
「あれで侮りだ」
 白人達はというのだ。
「何杯にもしっぺ返しがきたからな」
「それ故にですね」
「あれはいらなかった」 
 白人至上主義はというのだ、ドイツ皇帝であったヴィルヘルム二世がこの思想を持っていたことで連合ではこの時代でも批判されている。
「そこからだ」
「有色人種を侮り」
「日本に後れを取りな」
「他の国にもそうなり」
「連合にもだ」
「後れを取った」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。 
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