カードの強い魔法使いのお話
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第二章
「あの婆さん程偏屈ではないからな」
「安心してですね」
「一緒にいられるな」
「そうですね」
ジャックもそれはと応えました。
「グリーンマンさんは」
「それで娘はわしが言うのも何だが」
父親である自分がというのです。
「かなり美人で性格もな」
「いいんですか」
「上の娘二人もそうだが」
「その娘さんもですか」
「そうなのだ、妻にしていいぞ」
ジャックに笑顔で言うのでした。
「そしてその娘がだ」
「僕があの婆さんに勝てばですね」
「家に来る、どうだ」
「是非共」
ジャックは笑顔で応えました、こうしてです。
魔女のお婆さんのところに行きました、そしてグリーンマンが娘さんをお婆さんにはあげないと言いますと。
お婆さんは怒ってです、ジャックに言いました。
「あの娘がいいのじゃ」
「お弟子さんにするにはですか」
「だから声をかけたのじゃぞ」
「ですがグリーンマンさんはです」
「あのわからず屋が、こうなればじゃ」
お婆さんは怒ったまま言いました。
「乗り込んでじゃ」
「グリーンマンさんのお家にですか」
「直談判じゃ」
「そうされると困るんですが」
「あいつがか」
「それに僕も。お婆さんが娘さんを諦めたらです」
ジャックはお婆さんに笑顔で言いました。
「僕が娘さんと結婚出来るんですから」
「そんな話になっておるのか」
「はい、ですから」
「わしは諦めろというのか」
「他の人を跡継ぎに選んで下さい」
こう言うのでした。
「ここは」
「嫌だと言えばどうする」
「それでも諦めて欲しいです」
「ならわしを止めてみよ」
「それならこうしましょう」
ジャックはお婆さんが乗ってきたのを見て応えました。
「これからカードをしてです」
「それでか」
「僕が勝ったら諦めてもらって」
「わしが勝ったらじゃな」
「娘さんはお婆さんの跡継ぎで」
「わかった、ではな」
お婆さんも頷いてでした。
カード対決に入りました、すると。
ジャックは次々に勝って何とお婆さんに完勝しました、彼はそうなったうえでお婆さんににこりとして言いました。
「それじゃあそういうことで」
「忌々しい、しかしわしも魔女じゃ」
お婆さんは自分のお家の中を勝負をしたテーブルの上のカード達を見て言いました。
「負けを認めよう」
「負けたことを認めることも大事ですよね」
「素直にな、それが出来んはじゃ」
そうした人はと言いますと。
「まことの誇りがないじゃ」
「そうした人ですか」
「だからな」
それでというのだ。
「わしは魔女でな」
「その誇りがありますか」
「それでじゃ」
そのうえでというのだ。
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