カードの強い魔法使いのお話
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第一章
カードの強い魔法使いのお話
スコットランドのお話です。
スコットランドの森にはグリーンマンという妖精がいて木の葉や苔で作った服を着ていて緑色の髪の毛を伸ばしお髭も緑色です。目も緑でお肌も緑がかっていてまさに森の妖精というのに相応しい外見です。
グリーンマンはこの時森の皆にカード遊びをしようと持ち掛けていました、それを聞いた森のすぐ傍に住む村の魔法使いの息子の十五歳になるジャック=マックコナー黒くて短い髪の毛と明るい顔立ちに黒い目の彼ががです。
そのお話を聞いてです、森に入ってグリーンマンに尋ねました。
「カード遊びがしたいんだ」
「ああ、是非ね」
グリーンマンはジャックを自宅に入れて答えました。
「そうしたいんだ」
「カードなら僕も好きだけれど」
「それならいいかな」
「うん、一緒に遊ぼう」
「それならね」
大きな木の下にあるお家の中で、です。
二人でカード遊びをしました、するとです。
カードが得意なジャックはどんどん勝ちました、そして全部の勝負に勝つとでした。グリーンマンはジャックに言いました。
「強いな、それなら頼みがある」
「頼み?」
「実はわしには三人の娘がいるが」
年齢に相応しい背丈の彼に言います、着ている服は魔法使いのそれで三角帽子がとても似合っています。
「末娘はまだ結婚していない」
「そうなんですね」
「それで相手を探しているが」
ジャックにお顔を向けて言うのでした。
「実は隣の森の魔女に言い寄られている」
「ああ、あの偏屈な」
「あの婆さんが弟子を探していてな」
「末の娘さんがですか」
「素質があると言ってな」
それでというのです。
「わしの弟子にするから養子に寄越せとな」
「言っていますか」
「しかしわしはあの婆さんが嫌いだ」
「兎に角偏屈ですからね」
「あんな偏屈婆さんのところに娘をやる位ならだ」
それならというのです。
「普通に結婚してな」
「幸せになって欲しいですか」
「そう考えている」
実際にというのです。
「それでだ」
「ああ、僕があの婆さんを黙らせたら」
「娘をあんたの奥さんにする」
「それでグリーンマンさんが僕のお義父さんになりますね」
「そうなるがわしは流石にな」
グリーンマンはジャクに笑って言いました。
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