ありきたりのものを書くにも
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第四章
「ある程度でもな」
「能力が必要なんだな」
「創作ってものを知ってな」
作品に触れていってというのだ。
「普通の人間性もな」
「いじめキャラを贔屓したりする様なか」
「必要だよ、そういうものがな」
「だから異世界転生ものはか」
「ああ、まだな」
それこそというのだ。
「ましだよ」
「そういうことだな」
「そういうのがない奴が創作するとな」
「こうなるんだな」
「よくウェブ小説は馬鹿にされるだろ」
村上は真顔で話した。
「俺つええええええ展開とかハーレムとかな」
「異世界転生とかな」
「そういうのでもな」
「能力が必要だな」
「ある程度と言われてもな」
それでもというのだ。
「全くの無能だとな」
「生み出せないんだな」
「ああ、それで全くの無能はな」
「こんな屑しか生み出せないんだな」
「ウェブ小説でもここまで酷いのないだろ」
流石にとだ、村上はまた言った。
「そうは」
「ああ、本当に社会経験もなくてな」
「まともな創作に触れたことなくてな」
「人間性もおかしいとか」
「ここまで酷いな」
そうしてというのだ。
「駄作というのもおこがましいな」
「ウェブ小説でもここが変だよだけれどな」
「この作品は全部変」
「そうだな」
「ああ、だからウェブ小説のな」
「異世界転生ものもか」
「ずっとましだよ」
こう言うのだった。
「本当にな」
「そうだな、今日はいいもの見られたよ」
「本物の屑を見られてだな」
「最底辺を知るってことも大事だな」
その作品の結末、どうにもならない作品に相応しいそれを目にしつつ話した。そして結末を迎えても読者からの評価とコメントは最悪であり。
後日二人はこの作品の作者がまた碌でもない作品を発表し散々な評価を受けていると聞いた、だがもう読むことはしなかった。教訓を得るのは一度で充分だと彼等は思ったので。
ありきたりのものを書くにも 完
2023・2・15
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