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ありきたりのものを書くにも

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第二章

 二人で部室の中で話した、速水も村上もネット小説界に溢れている異世界転生ものを無敵主人公ものも含めて誰も書けるありきたりと批判していた。
 だがそんな中でだった。
 村上はある漫画をネットで知った、その漫画を読んでだった。
 速水にだ、これ以上はないまでに嫌なものを見たという顔で話した。
「最低の漫画見付けた」
「最低の?」
「ああ、もうこれ以上はないまでの」
 そう言っていいまでのというのだ。
「最低の作品見付けたぞ」
「どんな作品だよ」
 速水は村上の言葉に問い返した。
「異世界転生とか無敵主人公以下か」
「絶対にな」
 間違いないという返事だった。
「もう」
「そんなに酷いのか」
「読んでみるか?ネット漫画だよ」
 速水にこのことも話した。
「だからな」
「誰でも読めるか」
「何時でもね」
「どんな作品だよ」
 速水は自分のスマートフォンを取り出して言った。
「タイトル教えてくれ」
「うん、タイトルは」
 村上はそのタイトルを話した、速水はそれで検索してだった。
 出て来たそれを読みだした、そのうえで。
 村上と同じ表情になった、それで言った。
「これはな」
「酷いな」
「村ちゃんの言う通りだな」
 彼を仇名で読んで話した。
「もう」
「速水ちゃんもそう思うな」
「ああ、イジメ漫画でもな」
「作者が主人公イジメて」
「楽しんでる様にしか思えないな」
「イジメ役のキャラ達と」
「主人公を助けるポジションでもな」
 そういったキャラ達でもというのだ。
「傍観者だからな」
「主人公が悪いって言ってな」
「これじゃあ誰が助けるんだよ」
「こういうキャラばかりか」
「だからストーリーが進まないな」
「いじめキャラ同士の友情やラブコメ?いらねえよ」
 速水は怒って言った。
「まさに誰得だよ」
「文字通りのな」
「それだよ」
 こう村上に返した。
「よくこんなこと考えるな」
「作者が如何にこのいじめキャラカップルお気に入りかわかるな」
「いじめキャラがお気に入りか」
「こんな作品ないだろ」
「そんな作者はじめて見たぞ」
 速水は半分怒り半分驚いて言った。 
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