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ドリトル先生と桜島

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第五幕その八

「努力というものがね」
「嫌いなのかな」
「天才ばかり出すって」
「それって」
「また努力している描写がね」 
 この人の作品ではというのです。
「見事な位ないんだよ」
「勝つ為に必死にやるとか」
「必死に勉強したり練習したりとか」
「そういうのがないんだ」
「天才が出てその才能を遺憾なく発揮してね」 
 そうしてというのです。
「凡人達を薙ぎ倒していく」
「何かそれってね」
「無敵主人公?」
「色々ネットで言われてるけれど」
「それじゃないかな」
「無敵主人公自体はいいとしても」
 それでもというのです。
「努力を否定したり他の登場人物を貶めることはね」
「よくないね」
「そんなことは駄目だよね」
「特定の登場人物の贔屓にもなるし」
「そういうことはね」
「その作家さんは神戸も地震も当時の政権じゃなくて今の与党のせいで対応が遅れたと言っていたしね」 
 先生は今自分達が暮らしている街であった大震災のことについてもお話しました。
「他にも日本の悪口を一冊丸々書いていたよ」
「何か凄いみたいだね」
「最早小説になってないんじゃ」
「日露戦争を勝ったことになっているとか」
「震災をそう書くとか」
「流石にその一冊は批判が多くてね」
 それでというのです。
「以後かなり評価が落ちたみたいだね」
「当然だね」
「そんな作品だとね」
「とうもね」
「そう、本当にね」
 それこそというのです。
「僕も読んで日本のライトノベルや漫画でも最悪のね」
「作品だとだね」
「先生も思ったんだね」
「そうした風に」
「思ってその人の作品はね」 
 それこそというのです。
「読まなくなったよ」
「それがいいね」
「聞いてるだけであんまりだし」
「努力していない天才だけが活躍するのもね」
「どうかだよね」
「どんな人も努力しないと何も出来ないよ」
 先生はきっぱりと言いました。
「万能の天才と言われるレオナルド=ダ=ヴィンチさんもね」
「そうそう、あの人一日合わせて一時間しか寝なくていい」
「そうした極端なショートスリーパーでね」
「起きてる間はずっと何かしていた」
「そんな人だったね」
「人の倍以上いつも何かしていた人だから」
 だからだというのです。
「ああしてね」
「万能の天才になれたね」
「そうだったね」
「あの人は」
「音楽の天才モーツァルトさんはね」
 次はこの人のお話をしました。
「作曲していないと苦しい」
「そう言ってね」
「それでいつも作曲をしていた」
「そうだったね」
「発明のエジソンさんも不眠不休でね」
 そうしてというのです。
「九十九パーセントの努力をしていたからね」
「今調べると結構酷いお話もあるね」
「ニュートンさんもだけれど」
「人間としてどうか」
「そうしたお話がね」
「そうだけれどね」 
 それでもというのです。 
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