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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百五十六話 BEI軍基地 その4

第三百五十六話 BEI軍基地 その4
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。

BEI軍基地に潜入した、能沢エーイチロウ、姫先ユイナ、時田トオルは、BEI軍基地内にある、食料貯蔵庫と武器庫の爆破に成功した。
しかし、BEI軍基地から出撃した兵士が乗ったモーターボートが、基地から脱出した3人を追撃。
猛スピードで近づいてくる死の予感に、3人はひたすら、環境汚染で汚れ切った深夜の黒い海を泳ぎ続けることしかできない。
俺たち3人はただ、ひたすらに泳ぎ続ける。
しかし、BEI軍の軍人が乗ったモーターボートの音はどんどん、大きくなる。
BEI軍の捕虜になった場合に待っているのは、おそらく、想像を絶する非人道的な拷問だろう。
そして、その先に待っているのは、おそらく、『死』。
仮に五体満足のまま、解放されることがあっても、俺はこの国を浄化するために、何人も人を殺している。
日本のケームショに移送された後、まず間違いなく死刑になるだろう。
死の恐怖に怯えながら、俺は必死に海中を泳ぎ続ける、しかし、時田トオルは一度、泳ぐのをやめ、BEI軍のモーターボートの方へと、泳ぎ始める。
BEI軍のモーターボートからは、銃撃の嵐。
しかし、トオルは海中にいるため、銃弾はすべて、水中に直撃した影響で、その威力をほとんど失う。
海中から、BEI軍のモーターボートにしがみつき、そのまま、モーターボートに乗り込むトオル。
BEI軍から一斉に、銃撃されるトオル。
しかし、トオルはその身に無数の銃弾を受けながらも、ウェットスーツ脱ぎ、懐から、爆弾を取り出す。
そう、俺たちがギンコーを襲撃して奪った大金で作った自作爆弾。
トオルの手に握られた爆弾を見て、BEI軍の軍人たちは一斉に海に飛び込む。
しかし、遅かった。
トオルは、自分が巻き込まれるのを覚悟で、爆弾のスイッチを押す。
爆弾が爆発する。
爆発した爆弾から放たれた火薬と大量の釘が、トオルと近くにいたBEI軍の軍人たちに直撃する。
トオルはその身を犠牲にして、BEI軍の追撃から、俺たちを守ったのだ。
その光景を茫然と見ていた俺。
その光景に構っている暇などないかのように、泳ぎ続けるユイナ。
ユイナが、トオルの死に茫然自失となっている俺に向かって叫ぶ。
「トオル君の死を無駄にしたくないのなら、とにかく泳ぎ続けなさい」
俺はユイナの忠告を無視して、爆発したモーターボートの残骸が漂うポイントに向かって泳ぎ続ける。
顔面と全身に、大やけどをして、大量の釘が刺さった状態のトオルが、黒い海を漂っていた。
「と、トオル!大丈夫か!」
「え、エーイチロウか...?」
「あ、ああ!そうだ!エーイチロウだよ‼」
「俺、名誉挽回できたかな...?」
「ああ...ああッ!できたとも!だから、死ぬな!トオル!お前、あんなに死にたくないってみんなの前で言っていたじゃないか!だから死ぬな!」
「い、いいんだよ、コレで...死んじまえば、もう死ぬのに、おびえずに済むんだからな...俺の死は...名誉の戦死ってことで、これから、みんなに語り継いでくれ...あの世で...リョウジとヒミカと一緒に...お前たちのことを...見守ってるぜ...」
それがトオルの最後の言葉だった。
BEI軍の追撃が止んだ。
しかし、さっきの爆発で、海に放り込まれた軍人たちの捜索がすぐに始まるはずだ。
もう、ここにとどまってはいられない。
俺はトオルの死体から、拳銃を奪い、再び海に潜る。
環境汚染による産業廃棄物と、戦う男たちの血が漂う、黒い海を、俺はひたすら泳ぎ続けた。
大切な仲間が、また死んでしまった。
作戦が成功する度に失われていく、仲間の命。
シュノーケルにたまっていく涙のせいで、黒い海がにじんで見えた。
こうして、俺たち『3人』はBEI軍基地の、食料貯蔵庫と武器庫の爆破に成功した。

次回予告 同盟 その1

※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに 
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