| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七百四話 休まず動く国その二

「どうしてもです」
「働かなくてはな」
「収入がなくては」
「別に収入があればな」
「働かずともいいですが」
「財産を築くには先代の労働があったりな」 
 さもなくばというのだ。
「それを築くことだ」
「自らで」
「そうしたうえでだ」
「働かずともいいです」
「それがあってもな」
 大尉はエウロパ貴族の話もした、尚ここで言う貴族とは爵位即ち領地を持つ貴族達のことであり大尉の様な騎士階級の爵位のない者達のことではない。
「働くものだ」
「ああ、そうした方は」 
 上等兵も察して応えた。
「左様ですね」
「そうだな、しっかりとな」
「働いておられますね」
「そうだな」
「働かずともです」
「生きていける」
 領地から出る宮廷費でだ、領地を持つ貴族達は生活を保障されているのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「生きる為に働くのではなくな」
「国家の為に」 
 エウロパそして治める民達の為になのだ。
「全ての方がな」
「奉職されていますね」
「そうされている」
 エウロパの爵位を持つ貴族達はというのだ。
「しかとな。だが」
「それでもですね」
「余裕は忘れていない」
 国家への奉職の中でもというのだ。
「しかとだ」
「休憩も摂っていきます」
「そうあるべきだ、三時はな」 
 この時間になればというのだ。
「しっかりとだ」
「ティータイムですね」
「それを楽しむことだ」
「多忙であっても」
「余裕を以てな」
「そうしたことも必要ですね」
「余裕でな」
 それを持ってというのだ。
「そうすべきだ」
「左様ですね」
「そして昼食後もな」
「こうしてですね」
「食後の一杯位はだ」
「楽しむことですね」
「食べてすぐに動くなぞ」
 連合の様にというのだ。
「何と余裕がなくだ」
「下品ですね」
「それが遊びであってもな」
「遊ぶにしても余裕ですね」
「それがあることだ、連合にはそれがない」 
 余裕がというのだ。
「誰もが休むと言ってもな」
「寝る時以外は」
「何もしていない」
 全くというのだ。
「そんなことはないからな」
「必ず遊ぶなり本を読むなり」
「スマートフォンを観るなりでな」
「何かしていますね」
「そうした国だとな」 
 その様にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧