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第八十二話 阪神圧勝その一
第八十二話 阪神圧勝
一華と達川は甲子園で素晴らしいチームである阪神タイガースとヘドロをさらに汚くした様な極悪である読売ジャイアンツとの試合を観ていた、すると。
一回からだ、阪神の正義の裁きが炸裂していた。
「一介から十一点取ったわね」
「ダイナマイト打線大爆発だね」
「そうね、青柳さんの立ち上がりもいいし」
一華は達川と外野席で観戦しつつ言った。
「いきなり十一点取るとか」
「今日は勝てるね」
「巨人は一試合で三点取って大量得点だから」
「だからね」
そんな得点力だからだとだ、達川も言った。
「もうね」
「十一点取ったら」
「もうね」
それこそというのだ。
「完全にね」
「勝利はもらったわね」
「絶対に勝つよ、しかしね」
達川は打ちまくる阪神打線を見つつ言った。
「練習でもね」
「こんなには打たないわよね」
「それだけ巨人のピッチャーが弱いってことだね」
「もう三人目だしね」
「うん、本当にね」
「巨人って弱いわね」
「昔は強かったなんてね」
それこそというのだ。
「もうね」
「想像出来ないわね」
「本当のカスチームだよ」
「今の巨人はね」
「これは間違いなく今年も」
このシーズンもというのだ。
「確実にね」
「最下位ね」
「五位と十五ゲーム開いてるし」
「そんな状況だと」
「もうね」
それこそというのだ。
「何がどうなっても」
「最下位よね」
「これで二十年一年連続だね」
「凄い記録よね」
「あらゆる意味でね」
「いや、阪神から見たら」
それこそとだ、一華は言った。
「かつてのライバルでしかないわね」
「今の巨人はね」
「まあ基本ボーナスステージね」
「ピッチャーの人は完封して」
「三振獲りまくって」
「打線は打って打って打ちまくって」
「得点稼ぐのね」
達川に言った。
「ここぞとばかりに」
「そうしたチームで」
それでというのだ。
「それ以外の何でもないよ」
「今の巨人はね」
「球界の盟主とか思い上がって」
「それでやりたい放題やって」
「それでね」
「選手掠め取って」
「他のチームからね」
一華もここぞとばかりに言った。
「そうしてばかりでね」
「選手の育成忘れて」
「設備にもお金入れなくて」
「練習もしなくなって」
「遊んでばかりになって」
選手達だけでなく監督やコーチもだ。
「そればかりになって」
「それでね」
そうしたチームになりというのだ。
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