転生者達による神世界開拓記
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東方
国譲り編
第八話
前書き
感想で指摘されたので改訂中。
諏訪子が香苗さんの折檻を受けた翌日、いつもと同じ起床時間に苦笑しながらも外に出て顔を洗う。水は能力で創造したもので清潔なものであるので問題はない。
「この時代じゃ井戸もねえもんな……後で作るか」
ダウジングゥ~で……古い?確かに古いな。そんな事はどうでもいい……問題は俺の朝食があるのかどうかだ。別に魔法使いだから飲食不要だし、この時代の料理は料理とは言えない……動物の丸焼きが一番のご馳走だった覚えがある。
「現代の料理と比べると今の時代の料理は薄味且つ不味い」
率直に言えばその一言で済む。いくら神の食卓とは言え、上等なものはないだろう。ならいっそ、俺は食物を取りたくはない。
「永巡さ~~~~~ん!」
「ん?」
振り返ると香苗がパタパタと駆けてくる。香苗―――苗字に年齢……ともに不詳の巫女?風祝?な女性。東風谷早苗を大人にしたような容姿だが、性格は少し曲がっていて黒い所を見せる。
「……何か失礼な事を考えてませんでしたか?」
「そんな事はないですよ?」
「……まあいいでしょう。それより諏訪子様が呼んでますよ」
「諏訪子が?」
「どうせしょうもない事でしょうが我慢してください」
風祝に羨まれてない神ってどうよ?それにこんなのが早苗の祖先だなんて……何処で変異を起こすんだろうか?
「取り敢えずついて来てください」
「了解」
香苗の後をついていく。
~~~洩矢神社・応接間~~~
諏訪子がいる部屋についた。何やら真剣な様子……香苗が言っていたのと大分違う。
「永巡か」
「俺に用事って何だい?」
「用事……用事……幼児?」
「それは諏訪子様の事です(ドゴンッ!)」
「みぎゃーーーーーー!!!」
前言撤回……やっぱり香苗の言った通りでした。学習しようよ……。
「いたたた……物凄く痛いよ……」
「自業自得です」
「諏訪子……俺も暇じゃないんだが?」
怒ってる風になってるけど嘘ですめっちゃ暇です。途轍もなく暇です。ああでも、魔法の鍛錬とか弓の手入れもしときたいし……。
「今話すから……実は東の信仰がある一つの勢力にまとめあげられちゃったみたいだ」
「東?」
「確か大和朝廷でしたっけ?それにしても早すぎますね……」
予想以上の速さというわけか。
「香苗の言う通り、私達が予想していたよりも早い。このままじゃ数ヵ月後にはここに侵略されるだろうね」
「数ヵ月後か……(暦なんてあったんだ……)」
「早いですね……(いっその事逃げましょうか……)」
「どうしようかね……(朝ご飯が食いたい……)」
大将は原作通り八坂神奈子だろう。八坂神奈子……ガンキャノン……標縄……巨乳……五大老……禄なキーワードついてねえな。諏訪子も言えたもんじゃないけど。
「それでどうする気だ?」
「そのまま物量戦になれば勝ち目は無いに等しい」
「そうなのか?」
「神様の数でも質でも負けてます」
「…………」
「何も言うな諏訪子」
原作でも八坂側が有利だったとは書いてあったけど、実際言われると凹むだろうな。しかも、言っている相手香苗だし。
「勝つ気はあるんだろう?」
「当たり前だよ」
「ならいい。勝算があっても勝つ気がなければ負ける。逆に勝算がなくても諦めなければ活路は開けるものだ」
「「…………」」
「……何だその目は?」
おまけにえ?って顔もしているな。何が言いたいんだ?
「いや、永巡ってそういう事言うキャラだったんだ……似合ってないよ」
「シンジラレナ~イ」
「真面目にやれ(ゴチン×2)」
「「~~~っ!?」」
全く……失礼な奴らだ。自覚してるっつーの。
「痛いよぉ……」
「うぅ……」
「茶々を入れるからだ……話を戻すぞ?」
「あい……」
「量も質も適わない諏訪子達でも勝つ方法は」
「「方法は?」」
「お山の大将同士で一騎打ちして勝てばいい」
最もそれが一番難しいだけどな。東方の歴史で諏訪子の負けは決定してる。ひっくり返そうとしたら世界からの修正うんぬんかんぬんがあって無理かもしれない。
「大将を倒せば軍勢は勝手に崩れていく。大将に依存している程な」
「……諏訪子様が勝てますかね?」
「相手の力が分からない限り、断定は出来ないね」
「東一帯を統一した者だ。弱い筈はない」
ぶっちゃけ諏訪子より強い。どうにかして地力+@を見つけないと。
「まず、近場で自分の有利な場所を探すか作ろう」
「そこに誘い込む……難しくないですか?軍勢ごと来ちゃいそうですし」
「大将とその他を切り離す策はある。諏訪子はどうだ?」
「自分の有利な場所ねぇ……」
「見つかったらそこから遠く離れた所に陣取れ」
「何で?」
「ゴニョゴーニョゴーニョゴーニョ」
「フムフームフームフーム」
「そんなんで伝わるんですか?」
伝わるさ多分、きっと、メイビー。
「当日、香苗は付近の村人の避難させてくれ」
「分かりました」
「諏訪子は臣下の中で素早い者を東の偵察として向かわせてくれ」
「作戦通りにする為だね」
「まあな……それと臣下の者達に俺の事話しとけよ?」
当日になってあれ誰?とかシャレにならん。
「分かったよ」
「本当に頼むぜおい」
「永巡は心配性だね~」
「諏訪子様ですから心配する気持ちも分かりますが、少しは信頼してるぜ☆みたいな事言ってやってください」
「香苗……私の事嫌い?」
「祖母なのに幼女はちょっと……」
「神様なのに威厳がないのはちょっと……」
「好きで幼女やってわけじゃないよ!?それに永巡、余計なお世話だよ!」
誰にだって得手不得手があるんだから諦めればいいのに。それに……。
「どんな胸にだって需要はあるよ」
「胸に断定!?」
「ほら、誰かが言ってたじゃん?貧乳はステータスだ、希少価値だって」
「貧乳って躊躇わずに言われた!?ステータスって何っ!?」
「私が生まれている辺り、需要はあったみたいですね」
「孫が虐めるよ~!」
話がずれていってるな……自分のせいなんだけど。
「ぐずるのはそこまでにしてください。作者も書きにくくてしょうがないと嘆いていますよ」
「(トドメはあんたでしょうに……)」
「そんなの作者の語彙力と転換力のなさが問題でしょー!?」
「そんなもの、なくたって二次小説は書けます。国譲り編でしか出番のない私をこんなに前に押し出してるのですから」
「おーい、メタ発言しすぎだぞー?」
それにそれ、自分が得してるからいいよ的な考えじゃないかー?
「……いつか決着はつけないとって思ってたけどこんなに早く来るなんてね」
「……孫に対してその仕打ち。正してあげます」
「いざ」
「尋常に」
「「勝負!!」」
「やめんか!!(スパシコーン)」
俺はハリセンを創造し、二人の頭を叩く。蹲る二人を余所に、うまくやっていけるのだろうかと一抹の不安を覚えた。
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