超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第三百五十話 ギンコー その2
第三百五十話 ギンコー その2
無色主義。
それは何色にも染まらない自由な主義。
そして、この国に『無色主義』による革命を起こすために結成された組織『カラーレス』。
この物語はカオスと化した敗戦国、新日本に革命を起こすために戦う、若者たちの青春群像劇である。
カラーレスの活動資金補充のために、計画された、ギンコー襲撃計画。
しかし、カラーレスの中に裏切り者が出てしまった。
裏切り者の、末広リョウジは、コーバン襲撃の際に、ケーサツ官を1人、殺してしまった。
リョウジは死刑になるのを恐れ、これ以上、人を殺すのが嫌だと、皆の前で主張する。
しかし、カラーレスのリーダーである、倉都テツオは、たとえ殺した人間の数が1人でも、殺した相手がケーサツなら、死刑を回避できる可能性が低いことをリョウジに告げる。
リョウジの反戦的な思想に、『反省』を提案する姫先ユイナと、他のメンバーたち。
議論の結果、ペナルティとして、リョウジは『反省』の後に、アジトで一か月の監禁を、命じられる。
しかし、リョウジはこのぺナルティを拒否、組織からの脱退を主張して、その場を逃げ出す。
カラーレスのメンバーの誰もが、死刑回避のために、リョウジが警察にカラーレスの情報を漏らすのではないかと危惧する中、能沢エーイチロウは昨日、ケーサツ官を殺して奪った拳銃で、リョウジの頭部を撃ち抜く。
組織内で、メンバーの粛正が行われたのは、これが初めてであった。
深夜、カラーレスのアジトである廃屋の庭には炎が上がっていた。
その炎が焼いているのは、俺、能沢エーイチロウが殺害した、リョウジの死体だった。
焼いているにもかかわらず、人の死体はやはり臭う。
リョウジの死体を焼く庭の周りを、カラーレスのメンバーたちが囲んでいる。
俺を含めたメンバーの誰もが、カラーレスを裏切った者の末路を見て、戦慄していた。
死体が焼かれることによって、発生する嫌な匂いが、だんだんと消えていく。
まるで、リョウジの存在そのものをこの世界から、完全に消してしまうかのように。
しかし、俺たちは忘れない、リョウジが俺たちの同志で、腐りきった日本を浄化するために共に戦った仲間で、あったことを。
俺たちは忘れない、その仲間が、俺たちを裏切ったことを。
リョウジと仲がよかったメンバー達が急に泣き出す。
ユイナが、泣き出したメンバー達を、憎悪を含んだ視線でにらみるける。
ユイナの視線に気付いた、そのメンバー達が、『反省』と粛正を恐れて、急いで、上着の袖で涙を拭き取る。
ユイナがぼやく。
「まったく、組織を裏切ろうとしたクズのために、よく涙が流せるものだわ!」
「確かにリョウジは俺たちを裏切ろうとした、でも、何度か助けてもらったこともあるだろ?」
ユイナがみんなに向かって大声で叫ぶ。
「私は、エーイチロウ君の裏切り者を賞賛するような、今の発言について、エーイチロウ君に『反省』を求めます‼」
「俺は先程、裏切り者を賞賛するような発言をしたことについて、『反省』します」
「そうよ!それでいいのよ‼みんなもリョウジみたいに、燃やされたくなかったら、組織を裏切らないことです‼我々は腐敗した日本を浄化するために、命を懸けることを誓い合った同志です!裏切りは死を意味することを覚悟しておきなさい‼」
ホースの水で、リョウジの死体を燃やし尽くした炎を消し終わると、ショートカットにメガネが特徴的な、給仕係の松本ヒミカが、メンバー達に、お湯の入ったカップ麺を手渡す。
お嬢様育ちの、ユイナが俺に、自らの分のカップ麺を突き出す。
「コレ、あげるわ」
「食わないのか?うまいのに」
「こんな、体に悪そうな食べ物、とても食べられたものじゃないわ!」
すでに一杯目を食べ終えていた俺は、ユイナに手渡されたカップ麺を食べようとする。
しかし、みんなにカップ麺を配っていた、松本ヒミカは、自分の分のカップ麺も持たずに、廃屋の中に戻ってしまう。
俺はユイナに一言、言って、2杯目のカップ麺とフォークを手に持ったまま、廃屋に戻る。
廃屋の中に戻った、ヒミカが一人で泣いている。
やはりそうか、メンバーの中で、一番リョウジと親し気にしていたのは、ヒミカだった。
そして、俺はヒミカの大切にしていた人である、リョウジを粛正した。
俺は罪悪感を胸に、ユイナからもらったカップ麺とフォークをヒミカに突き出す。
「なぁ、ヒミカ、ちゃんと食わないと、体に悪いぜ?」
「なんだ、エーイチロウ君か、ごめん...さっき炎をずっと見ていたせいか、炎が目に染みてね、涙がずっと、止まらないのよ...」
「そんなウソつかなくていいよ、ヒミカはリョウジと仲良かったもんな」
「私、実はリョウジ君の子供を妊娠しているの...」
「そ、そんな...お前、リョウジと付き合ってたのか?」
「うん...」
「じゃあ、俺はヒミカのお腹の子の父親を、殺してしまったというのか?」
「エーイチロウ君は、悪くないわ、リョウジがあのまま逃げていたら、リョウジは死刑を回避するために、ケーサツに私たちのことを、全部話していたに違いないわ...」
「ヒミカは、それで納得できるのかよ...」
「納得できても、出来なくても、もうリョウジ君は帰ってこない、そうでしょ?」
「そうだけどさ...」
ヒミカは乱暴に、俺が突き出したカップ麺とフォークを、奪い取って、食べ始める。
「うん、やっぱり、おいしいね、コレ...」
「う、うん...」
「お腹の子供のためにも、ちゃんと食べないとね!」
背後から、ユイナの声が聞こえてくる。
「ヒミカ、リョウジの子供は、組織のためにチューゼツしなさい!」
「ユイナ!お前、さっきの話、聞いてたのかよ‼」
「あなたとリョウジの子供は、将来、父親の仇を取るために、かならず、我々の前に立ちふさがるわ!だから、今のうちにチューゼツしておくべきよ‼」
「ユイナ、それはいくらなんでも言い過ぎじゃないか?」
「そうよ、お腹の子に罪はないわ‼」
「わたしは組織のために、ヒミカにチューゼツしなさいって言っているのよ‼チューゼツできないのなら...」
ユイナが昨日、ケーサツ官から奪った拳銃をヒミカに向けて告げる。
「リョウジみたいに、コレで頭をぶち抜いて、丸焼きにして、粛正してあげるわ...‼」
ユイナのただならぬ殺気と憎悪から、自らの死を察した、ヒミカが観念したように、告げる。
「わかったわよ...組織のために、リョウジの子供はチューゼツするわ...」
次の日、ヒミカは産婦人科で、リョウジとの間にできた子供をチューゼツした。
次回予告 ギンコー その3
※この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。
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後書き
次回もお楽しみに
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