星河の覇皇
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第八十四部第二章 交渉の用意その一
交渉の用意
ギルフォードはまずはカミュを呼んだ、そのうえで首相である彼に告げた。
「ではだ」
「これよりですね」
「このオリンポス星系の防衛体制をだ」
「整えますね」
「これまで以上に堅固なものとする」
こう言った。
「是非な」
「エウロパは中央集権国家です」
ここでカミュも応えた。
「その為にですね」
「首都何かあるとな」
「それが国家の混乱に直結しますね」
「今のところ連合も軍を動かさず」
「首都は安全ですが」
「しかし安全は変わる」
それはとだ、ギルフォードは話した。
「状況によってな」
「若し危機になれば」
「事前の備えがあるとな」
確かな防衛体制がというのだ。
「安心出来るが」
「それでもですね」
「備えていないとだ」
この場合はというと。
「そのいざという時にだ」
「首都を守れず」
「そこから国家が崩壊しかねない」
首都であるオリンポス星系を脅かされてというのだ。
「そうなる危険を考えるとだ」
「今からですね」
「首都の守りをだ」
「固めていきますね」
「そして有事に備えるのだ」
「それがいいですね」
「そうだ、首都だけで国家は成り立たないが」
それでもというのだ。
「首都なくしてな」
「国家は成り立たないですね」
「特にエウロパの様な中央集権国家はな」
「だからこそ」
「ここは守りを固めてだ」
「そしてですね」
「常にその防衛体制を見直してだ」
そうしたこともしてというのだ。
「万全の備えをしていく」
「そうしていきますね」
「敵軍だけでなくだ」
「テロにもですね」
「無論だ、国父ブラウベルグは何百回と暗殺されかけた」
全て連合各国の手によるものだ。
「あれは国父ブラウベルグだから生き残れたが」
「それでもですね」
「他の誰も無理だ」
「では」
「そうだ、私もだ」
ギルフォードは自分から言った。
「それは無理だ」
「数百回の暗殺を凌ぐことは」
「とてもだ」
それこそというのだ。
「出来ない」
「だからですか」
「暗殺は仕掛けさせない」
「そうされますか」
「これはテロだからな」
「テロ全体をですね」
「許さない、世の中どうしてもおかしな者がいる」
これはエウロパでもだ、過激派という存在はその思想の内容はともかく行動については時代も国も選ばないのだ。
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