ドリトル先生と桜島
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第三幕その九
「本当にね」
「先生はそう言うよね」
「何か日本では色々言う人がいるらしいけれど」
「先生はそう言うね」
「うん、お米の値段を一定にさせたけれど」
このことからお話しました。
「定免法といってね」
「それで市場の価格を安定させたね」
「当時の日本はお米の価格が市場の基準で」
「お米の値段次第で市場の価格が変化して」
「経済も安定しなかったね」
「だからそれを安定させる為に」
このことを目的としてというのです。
「お米の価格を決めてしかもそれを低くしたんだ」
「そこも理由があるんだよね」
「吉宗さんの政策には」
「そうだよね」
「そうだよ、お米は年貢つまり税金だから」
それでというのです。
「税金を安く定めてね」
「納める人達を楽にしたね」
「お百姓さん達に」
「そうもしたね」
「それまでは収穫高に応じて年貢も変わったけれど」
それがというのです。
「それを低く定めてそれからの新田開発で得た分はね」
「それはだね」
「お百姓さんの分だね」
「そうしたね」
「年貢以上は取らないで」
「しかも他の農作物の収入はお百姓さんの分だったから」
お米以外の作物のです。
「そちらもどんどん奨励したしね」
「お百姓さん凄い豊かになるね」
「お米だけを納めればよくて」
「その納める分も低く定めて」
「そうなったから」
「市場の価格を安定させてお百姓さんも楽にさせて」
そうしてというのです。
「幕府も税収がはっきりするから」
「どれだけ入るか」
「それまでは一定しなかったけれど」
「それが安定してだね」
「政策も執りやすくなったんだ」
このこともあったというのです。
「政治もお金がないと駄目だからね」
「やっていけないよね」
「予算がないと」
「それも確かにしたし」
「そのこともよかったね」
「このこともあって皆に薩摩芋を食べることを認めたから」
ここでまた薩摩芋のお話をします。
「尚更いいね、白砂糖を作ることも認めたしね」
「へえ、そうなんだ」
「白砂糖もなんだ」
「そちらを作ることも認めたんだ」
「そうだったんだ」
「ここから日本に白砂糖が広まったんだ」
そうなったというのです。
「和三盆とかね」
「ああ、あれだね」
「日本伝統のお砂糖」
「あれも吉宗さんからなんだ」
「お砂糖についても」
「質素倹約が過ぎて締め付けとか言われて」
そうしてというのです。
「この定免法が変に解釈されてね」
「悪く思われてたんだ」
「そうだったんだ」
「かつては」
「色々言われてたんだ」
「うん、お百姓さんから搾り取ったってね」
その様にというのです。
「言われただよ」
「ああ、年貢を高く定めて」
「そうして搾り取った」
「そうした風にだね」
「そうだよ、けれどそれが間違いだということはね」
このことはというのです。
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