SAO<風を操る剣士>
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第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第四章 クリスマスの夜に…
第26話 シュウの説明
前書き
《居合い切り》を《居合い斬り》にしました。
感想に《システム外スキル》をまとめた物を作ってほしいとあったので、またまた説明回です。
ほとんどが会話と説明です。
※現在1話から順々に話の書き方を修正中です。
修正といっても話の内容を変えるわけではないのでそのまま読み進めても大丈夫です。
前書きに『■』←このマークがあれば修正完了で、『□』←このマークがある場合修正中、なければ修正前ということでよろしくお願いします。
「そういえば、シュウさんって物凄く使える《システム外スキル》が多いですよね」
「……急にどうしたんだ?」
俺たちは第十五層の奥にある温泉を目指して森の中を進んでいたのだが、その道の途中に約30分くらいの時間間隔で数分しか開かれない植物の道があった。
俺とシリカは、その時間を運悪く逃してしまい仕方なく植物の前で待っていたら、シリカが突然俺にそんな事を聞いてきたのだ。
本当にどうしたんだ、突然…
「いや~、あたしがシュウさんに教えてもらっている《システム外スキル》の数が多いな~、って改めて思いまして……でもそう思いませんか?」
「……確かに普通のプレイヤーよりは多いかもな…」
「ですよね! …それでお願いなんですけど、この待っている時間の間、あたしにシュウさんの使える《システム外スキル》を教えてくれませんか? 復習がしたいのと、まだ《居合い斬り》のやり方など教えてもらってませんので、できれば……あ! でもシュウさんが教えてくれるなら、ですけど…」
シリカが最後に『ダメですか?』と、顔に書いてあるような上目遣いで俺に聞いてきた。
…その上目遣いは反則だろ。そんな顔されたら断りきれないじゃないか…
「……分かった」
「本当ですか! ありがとうございます!!」
俺が頷くと、嬉しそうに喜ぶシリカ。
前から強くなりたいと言っていたから、俺に教えてもらうのが嬉しいのかな?
……最近思ったんだけど俺って、シリカのさっきみたいな顔や押しに弱いのかもしれない。
こうして俺の使える《システム外スキル》を、シリカに教える&シリカの復習が始まった。
====================
「それじゃ、簡単に説明して行くぞ」
「はい、お願いします!」
「まずは基礎からな」
・《見切り》……遠距離攻撃系モンスターの目を見て攻撃の軌道を推測する。
ただし、目のあるモンスターだけな。
・《聴音》……環境音から敵由来のSEだけを聞き分け位置を探る。
・《ミスリード》……モンスターのAI学習を誘導し、急激な負荷を与えて隙を作る。
ちなみに、これを複数人でやるのが《スイッチ》。
・《ソードスキルのブースト》……ソードスキルのモーションに合わせて、体を自分の意思で加速させてスキルの攻撃力を増やす。
「ココくらいまでなら、攻略組だったら見つけてるスキルだな」
「そうですね。でも《聴音》は初めてあたし聞きました」
「そうなのか? まぁペア組んでるためか俺がほとんど敵見つけるから、シリカには必要なかったしな」
「そうですね」
「次行くぞ」
・《先読み》……プレイヤーの重心や剣の位置から相手の出方を予想する。
モンスターの場合も攻撃の癖や、AIでどういう風に学習していくかなどを読み取り、先を読むことは可能だ。
「モンスターの先が読めるのは、シュウさんだけですよ…」
「そうか? そんな事ないと思うけど……まぁその話はいいとして、そろそろ俺がよく使うスキルを言っていくぞ」
・《値移行》……《敏捷力》+《筋力値》で素早く動ける。
最近では力加減も分かるくらい使いこなせるようになり、俺は普段からほとんど使用している。
・《体重移動》……剣に自分の全体重を乗せて剣を重くし、モンスターに与えるダメージを増やす。
このスキルは、ソードスキルの硬直時間が無い為すぐに次の攻撃に移れるのが最大の利点だ。
ソードスキルと一緒にも使えて、攻撃力を上げるためにこれも普段から使用している。
・《体重移行》……《値移行》に《体重移動》を加えて、《値移行》より速く動ける。
速さは凄いんだけど、このスキルには弱点があるのでめったに使わない。(※弱点は前話に記入)
・《攻撃移行》……剣を持つ腕を平手打ちの要領で加速させて、攻撃力を増やす。
素早い敵が迫ってきたりして、剣を振るのを速くしたい際に良く使う。
「大体これくらいか。あと《値移行》と《体重移動》は応用が利くから、人を投げたり、攻撃方法のよっては《値移行》の速度をそのままにしながら、《体重移動》で攻撃……なんていうのも可能だな」
「前にやったトーナメントの決勝戦のようにですね」
「そういう事。……さて、あとは《居合い斬り》だ。使い方を説明するからよく聞いといてくれよ」
「はい! 説明、よろしくお願いします!」
最後は俺が作った《システム外ソードスキル》の《居合い斬り》の説明な。分かりやすいように順番で説明するぞ。
1:まずは剣を持つ手首を逆の手で掴む。
2:そのまま剣を腰ぐらいの高さで、地面と水平気味に構える(右側でも左側でもかまわない)。
3:そこから《体重移行》を使って、敵に加速して近づく。
4:その勢いを保ったまま、敵に向って《攻撃移行》で剣を振る。
5:振った剣に《体重移動》を加える。
「これを動作=モーションとして覚えたんだ」
「なるほど、だから《システム外ソードスキル》なんですね」
「あとこのスキルを使うのに重要なのは、[敵との間隔がある程度あいていること]なんだ」
「間隔? それってどのくらいなんですか?」
「最低でも《体重移行》の一歩分が必要だから、力の加減具合で[3~6メートル]位じゃないかな。もちろん全力でやる時は、6メートルかそれ以上だけど…」
…ちなみにこのスキルの名前の由来は、2の部分を自分の左側に剣を構えながら、左から右の攻撃をする俺の姿を見たときにシリカが決めた。
「分かりました。頑張って覚えられるかやってみます!」
「ああ、頑張れ。短剣でも出来るか不安だけどな」
===================
説明が終わり、まだあと少し待ちそうなので、シリカが《居合い斬り》の練習をしている最中……俺はアルゴにメッセージを送って情報を聞いていた。
『今、植物の所で先に進めなくて待ってるから、その間に最前線の情報を少しでいいから教えてくれないか?』
するとすぐに返信が来て、
『じゃあ、簡単に今の攻略組のレベルの平均くらいカ?』
と、書いてあった。
『お願いします』
『なら、他の情報はまた今度でいいナ。多分レベルを教えるくらいに、待ち時間が終わると思うヨ』
『そうなのか?』
『多分だけどネ。…レベルの話だけど、今の攻略組の平均は60~63くらいダ(報酬として、今後の為に必要となるかもしれないから、シュー助のレベルを教えてくレ)』
『ありがとう。あと俺は73な』
ついでに言えば、シリカはレベル70。
『そりゃスゴイ! ダンジョン攻略頑張ったんダナ。キリ坊より上だなんテ……おっと口が滑った。これは聞かなかった事にしといてくレ』
ホント、サービスしてくれるな。アルゴが口を滑らせるなんてあるはずが無い。
そんなサービスをしてくれもするから、情報をいっぱい買っているわけで……そう思うと営業上手だな。
それでもサービスをしてくれるあたりで、いい友達を持ったと本当に思う。
俺が感謝を籠めながらアルゴとやり取りをしていたら、アルゴの言った通り、植物たちが動き始めた。
俺はアルゴに時間が来たことを伝えて、再びシリカと一緒に第十五層の奥を目指し始めた。
後書き
次回から通常に戻ります。
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