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仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所

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第十九章

「ブリザードベノム」
 杖には冷気が宿っていた。それでティターンを氷漬けにする。さらに猛毒を出す。それでティターンを毒で崩壊させ爆発させたのであった。
「勝った・・・・・・俺一人でも」
 ガクリと片膝をつく。しかし勝った。
 橘とケルベロスの戦いは激しい。橘は銃で対抗しているが限度がある。そこに限界を見た彼は一気に決着をつけることにした。
「キングフォームになれるのは二人だけではない」
 彼は言う。
「この俺も!今それを見せてやる!」
「エボリューションキング」
 ギラファのカードと融合し胸にその紋章が宿る。するとギャレンの身体が銀色に輝き白い身体と銀の鎧に覆われたキングフォームとなったのであった。
「この力なら!」
「キング=バーニングディバイト」
 ダイアの五と六と九を使う。するとギャレンの身体が二つではなく四つになった。しかもケルベロスを囲むようにして出ていた。
「おおおおおおおおおおおおおっ!」
 その四人のギャレンが一斉に跳ぶ。空中できりもみ回転をしながら体勢を取る。身体を下に向けて急降下しそこから炎の蹴りを放つ。
 キングフォームでの渾身のバーニングディバイドを放つ。それを受けてケルベロスは炎に包まれその中で炎上し大爆発を起こすのであった。
「これで終わりだ」
 橘は一人に戻りケルベロスの炎が消えていくのを見ながら呟いていた。
「天王路の残した忌まわしい遺産も何もかも」
 彼も因果を終わらせた。そして今相川も。
「まさか俺と戦うことになるとはな」
「グオオオオオオオオッ!」
 ジョーカーはただ叫び声を挙げ襲い掛かるだけであった。そこにあるのは戦闘本能だけで他には何もなかった。
「闘争心だけか。かつての俺だな」
 ジョーカーの攻撃をかわしながら言う。既にその動きは見切っていた。
「御前は俺だ。ならばわかる」
 彼はジョーカーに対して述べる。
「御前のこともだ。だからこそ俺の手で!」
 相川も自身が持っているパラドクサのカードをラウズさせる。すると彼の中の全てのハートのカードが融合した。
「エボリューションキング」
「!?まさか」
 一瞬彼はまたジョーカーになるのだと思った。しかしそれは違っていた。
 彼がなったのはワイルドカリスだ。それは今までと同じだ。しかし決定的に違うことがあった。彼はもうジョーカーではないのだ。相川始なのだ。
「そうか、融合計数の高さはそのままか」
 彼はそれに気付いた。
「だから俺はワイルドカリスに。だが」
 しかしデメリットもある。それにも気付いた。
 このままフュージョンしてもジョーカーにはならない。だが体力の消耗はかなりのものだ。今自分の中の体力が急激に消耗していくのがはっきりわかった。
 ならば短期決戦しかない。彼は一気にケリを着けることにした。熾烈なジョーカーの接近戦をかわしながら態勢を整える。そして己が持つ全てのカードを融合させワイルドに変える。その力を全てカリスアローに凝縮させて突進する。
「ワイルドサイクロン」
「これで終わりだ!」
 ジョーカー、かつての自分自身に向かいながら叫ぶ。
「俺よ、消え去れーーーーーーーーーっ!」
 そのワイルドサイクロンでジョーカーを撃つ。その圧倒的な攻撃力にはさしものジョーカーも耐え切れるものではなかった。吹き飛びモノリスの中に消え去る。
「やったか・・・・・・」
 見ればティターンの破片もケルベロスの炎もモノリスの中に吸い込まれていた。そして最後の敵も。
 剣崎はヒューマンジョーカーと死闘を繰り広げている。剣と剣が打ち合い鋭い音が響き渡る。
 剣崎は劣勢にあった。やはり純粋なジョーカーである敵には分が悪かった。彼は肩にその攻撃を受けガクリと左膝をつく。
「うっ・・・・・・!」
 そこにさらにヒューマンジョーカーの攻撃が襲う。だがそれは己の剣で何とか受け止めた。そこから力を振り絞り立ち上がる。
「この程度で」
 彼は立ち上がりながら言う。
「負けはしない。御前が運命そのものなら」
 己の姿を見ながら言葉を続ける。
「俺は御前を倒す!そして運命を変えてやる!」
「エボリューションキング」
 キングフォームへと変身する。ここで相川が声をかけてきた。
「剣崎、気をつけろ!」
「始!」
「キングフォームになってももうジョーカーになりはしない。だが体力の消耗は今までの比ではない!」
 彼は既にカリスに戻っている。それが何よりの証拠だった。
 
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