仮面ライダー剣 悲しみが終わる場所
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第十八章
「俺を創り出したのは統制者だというのか」
「その通りだ。世界が滅亡するというのも面白いだろうと思ったからな。そしてそれはなりかけたが」
「貴様ァ!」
「だがそれはジョーカーが分かれたことでまたなる。さあ相川始よ」
モノリスの前で緑色の光が現われそれが人の形となる。それはジョーカーであった。
「自分自身と戦うのだ」
同時にケルベロスとティターンがモノリスから現われた。二体の怪物はジョーカーの横に並ぶ。
「始、御前は自分自身に勝て」
橘が相川に言う。
「俺はケルベロスを・・・・・・天王路の生み出したあいつを倒す!」
ボードを裏で操り弄んできた男の遺産を。彼は今睨み据えていた。
彼はボードで戦ってきた。そこで全てを失い剣崎も失った。その因果を終わらせる為にケルベロスと戦う決意を固めていたのだ。
「じゃあ俺はティターンを」
上條はティターンに向かう。
「こいつを倒す!」
「よし、ならば!」
相川が言う。三人はそれぞれ変身に入った。
「変身!」
「チェンジ」
相川が叫ぶと目の前に蟷螂の緑の紋章が描かれたカードが浮かぶ。それは彼が人となったことの何よりの証だった。
その光のカードを通り抜ける。そうして彼は仮面ライダーカリスとなった。
「変身!」
「ターンアップ」
橘は左手を右に回して拳にして叫ぶ。それから右手で思いきりバックルを引く。目の前に現われたクワガタのカードに突っ込み今ギャレンとなった。
「変身!」
「オープンアップ」
上條はその手を顔の前に掲げる。それと同時に目の前に現われた蜘蛛のゲートを通過する。今三人のライダーが変身しそれぞれの相手に向かう。
剣崎もまた。右手を前にかざし次に左手を。その中で叫ぶ。
「変身!」
「ターンアップ」
緑の光に包まれ剣となる。すぐに剣を手に統制者のいるモノリスへ向かう。
「御前を倒せば全てが!」
「ふふふ、焦ることはない」
しかし統制者は彼に対してこう言う。
「君の相手はもういるのだ」
「俺の相手!?」
「そう、ジョーカーである君自身がな」
「俺自身!?まさか」
「そう、そのまさかだ」
ここでモノリスから赤と青の稲妻が発せられた。それが剣崎を貫く。
「うおおおおおおっ!」
「さあ、もう一人のジョーカーよ」
叫ぶ剣崎からもう一人の剣崎が現われる。だがその腰のベルトには緑のハートのカードがある。それはジョーカーであることの何よりの証であった。
「倒せ。人間を」
現われたもう一人のジョーカーは答えはしない。酷薄な笑みを浮かべて剣崎と向かい合っている。やがて彼も変身の構えを取った。
「何っ、まさか」
「そう、そのまさかだ」
「変身」
統制者に応えるようにそのジョーカーは変身に入る。先程の剣崎と同じように緑の光に包まれ剣になった。
「俺が・・・・・・もう一人だと」
「喜び給え。君は人間に戻れたのだ」
統制者は笑っていた。二人の剣崎を見て笑っていた。
「だが生き残るにはもう一人の自分に勝たなければならない。どうだ?面白い余興だろう」
「ならば・・・・・・戦う!」
剣崎はもう一人の自分を見ても気持ちを変えはしなかった。
「俺自身と!」
剣を構え突進する。そこにヒューマンジョーカーこともう一人の剣崎も剣を手に向かう。二人もまた戦いに入ったのであった。剣と剣がぶつかり合う。
上條は杖でティターンに向かう。その強さは相変わらずだった。
「くっ!」
しかし彼は倒れない。立ち続ける。
「俺だって」
彼はその中で言う。
「城さんと嶋さんの心を受けたんだ!今それを!」
迫って来たティターンをまずは杖で殴って退ける。そして。
クローバーの四と六と八を出す。それをラウズさせ杖を突き出す。
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