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イベリス

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第百二話 終わりゆく夏その三

「最低限の服はね」
「いつも着てるわね、実際東京に冬でちゃんとした服着ないと」
 咲は眉を曇らせて語った。
「ちょっとね」
「無理だからね」
「ええ、私寝る時も靴下履くし」
「冬は」
「そうしてるしね」
「それで外出の時も」
「厚着してるし」
 今話している様にというのだ。
「冷え性だしね」
「そうした風にね」
「なってくわね」
「涼しくなったと思ったら」
 まさにその時にというのだ。
「そこからね」
「寒くなっていくわね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「厚着もよ」
「していくわね」
「それに今みたいな半袖ミニスカ生足なんて」
 その先はサンダルでやはり素足である。
「とてもね」
「無理なのよね」
「そうなるわ、もうすぐサンダルもね」
「無理になるわね」
「ええ、派手な滑降するにしても」
 それもというのだ。
「秋や冬のね」
「そうした格好になるわね」
「例えば半ズボンに」
「ストッキング二枚ね」
「あとタイツね」
 ストッキングの代わりにというのだ。
「スパッツとか」
「ああ、スパッツね」
「これを穿いてもね」
 冬はというのだ。
「いいでしょ」
「そうよね」
 咲もそれはと頷いた。
「ファッション的にも」
「ミニスカの下もね」
 こちらの場合もというのだ。
「スパッツでもね」
「よくあるファッションだしね」
「いいのよ」
 こう咲に話した。
「これも。ミニスカや半ズボンの下にね」
「スパッツも」
「暖かいし」
 それにと言うのだった。
「しかも見えないし」
「下着が」
「いや、夏だとね」
 愛は少し苦笑いになって話した。
「やっぱりね」
「どうしてもね」
「透けることもね」
「ある程度覚悟しないとだしね」
「さっきもお話したけどね」
「暑くて薄着でないとやっていけないから」
「仕方ないけれど」
 それでもというのだ。
「冬はね」
「もうそういうのはね」
「防げるから」
「防げるならね」
「それならよ」
「防ぐことだし」
「だからね」
 それでというのだ。 
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