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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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こんにちは赤ちゃん

<イシス>

アルル達はポルトガ・ロマリアと連日で訪れ、最終決戦前の挨拶を済ませた。
そしてやって来た砂漠の国イシス…
先に訪れたサマンオサ・ポルトガ・ロマリアもリュカ等(特にリュカ)に対して好意的な国(国王が)だが、このイシスは特に好意的(女王が)であろう…
何故ならば、第1王位継承者の王女様が、リュカの娘であるから…
うん。詳しく説明はしないけど、大当たりを引き当ててしまったのだよ。


「お父さん、赤ちゃんに会うの楽しみだね!私の妹、可愛いといいなぁ」
些か不機嫌なビアンカ…
頭の痛くなる思いのティミー・アルル…
八つ当たりされない様に距離をおくハツキ・カンダタ・モニカ・ミニモン…
時々訪れる師匠の困惑を楽しもうとするウルフ…
何だかよく分からないけど、常にはしゃいでる少女ラーミア…は置いといて…
このパーティー内に渦巻く感情を、掻き乱すかの様なマリーの発言に、リュカは無表情に歩き続ける。

砂漠の町を抜け、イシス城に入る…
ヒンヤリとしたエントランスを歩くと、リュカを防ぐかの様に3人の男が立っている。
「あっ!あの3人組は確か…アン・ポン・タンだ!」
以前、リュカにやられた女王直属の護衛官達…
「ち、違う!我らは…「トン・チン・カンよ、お父さん!」
そんな3人の言葉を遮り、リュカと共にからかうマリー。

「それは『サリーちゃん』に出てくる三つ子だろ!?」
「似た様なもんでしょ」
敵意剥き出しの3人を、徹底的にバカにする父娘(おやこ)
「違うと言ってるだろ!」
静かなエントランスに木霊する大声…

「だって名前なんて知らないもん!」
「じゃぁ何で『アン・ポン・タン』とか言うんだよ…」
最早ツッコミが染みついた息子さんの呟き。
「わ、私はエドガー!」「我はアラン!」「俺は…「もういいよ!退いて!」
リュカの『名前知らない』の言葉に、慌てて名乗ろうとするも、最後まで聞くことなく彼等を押し退けて奥へと向かうリュカ…
2/3は名乗れたので満足するべきだろう…


「お父さん…最後の1人の名前って何だろうね?やっぱりあの流れからだと『ポー』かな?」
流石に気になってしまうマリー…
今更ながら、バカにしすぎた事をちょっと悔やんでる。
「知らね!あそこで『三波春○でございます!』なんて言われたら腹立つから、聞きたくなかった!」
「ぷふ~っ!ちょ~うける~!!それサイコー、あははははは!」
リュカの隣に寄り添いながら、楽しそうに笑うマリー…
勿論その後ろでは、ヤキモチの炎を滾らせるビアンカとウルフが居る。
そんな事には気付いていない父娘(おやこ)は、声を揃えて『世界の国からこんにちは』を歌っている…


女王の執務室へ訪れると、レイチェルが机に座り書類を決裁していた。
直ぐ側のベビーベッドには、まだ小さい女の赤ん坊が…
「レイチェル…お邪魔するよ~」
「あ、リュカ!!」
レイチェルはリュカの姿を見た途端、持ってた書類を投げ捨てて一目散に抱き付いた!

「リュカ、見て見て!私頑張ってアナタの子を産んだのよ!」
嬉しそうにリュカを赤ん坊の所へと連れて行く…
「うわぁ~!可愛い女の子だ!名前はもう決まってるの?」
伊達に子沢山を経験してるワケではなく、赤ん坊を起こさない様に優しく抱き上げるリュカ…
ビアンカも、可愛い赤ちゃんを前にすれば、思わず顔がほころんでしまう優しい女性だ。

「本当はね、リュカの名前に因むつもりだったんだけど…大臣達が全員反対しちゃって…だから私の名前に近くしたの。その子の名前は『レティシア』よ…私とリュカの子レティシア」
「レティシアか…僕とレイチェルの子だし、将来はきっと美人になるね!」
「母親みたいに、変な男に引っかからなければ良いね…」
「あらマリーちゃん!私は変な男になんか引っかかって無いわよ!むしろ最高の男性に出会えたと思ってるわよ!」
面白半分で嫌な空気を蒸し返そうとするマリー…
だがレイチェルは本気でリュカに出会えた事を喜んでおり、現在の状況に微塵も不満は無い様子だ!

「そうよね女王様!私もリュカに出会えて最高ですもん!」
リュカの腕の中で眠る、赤ん坊の頬を突いていたビアンカが急に同意する。
「そうですよねビアンカさん!やっぱりリュカは最高の男性ですよね!…良いなぁビアンカさんは結婚出来て…羨ましい!」
マリーの狙いは、アホたれ男のアホたれ行動に、みんなで非難ゴーゴー・タイムの予定だったのだが、まさかビアンカが此処で『リュカは最高の男』発言をするとは思って居らず、良い男だからしょうがない的な流れになってしまったのだ。
そして和気藹々ムードのまま、アルル達は最終決戦の挨拶を終わらせてしまい、リュカが白い目で見られる事が無くなってしまったのだ…

その日の晩…ベッドの中でマリーはウルフに言う…
「私は浮気を許すつもりはないわよ…」
彼もそれなりにイケメンだから、彼女もそれなりに心配なのだろう…



 
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