仮面ライダーAP
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暗躍編 真凛・S・スチュワートという女 前編
前書き
◆主な登場ヒロイン
◆真凛・S・スチュワート
ノバシェード対策室の元特務捜査官であり、ヘレン・アーヴィングの同僚にして師匠のような存在だった日系アメリカ人。気高く凛々しい才色兼備の女傑だが、独断専行が災いして対策室から追放されてしまい、それ以降は裏社会で活動する女探偵として独自にノバシェードを追っている。青いチャイナドレスによって強調された白い太腿には、投擲用のダガーナイフを装備している。当時の年齢は27歳。
スリーサイズはバスト116cm、ウエスト62cm、ヒップ105cm。カップサイズはK。
――2020年7月某日。公安機関「ノバシェード対策室」に所属する特務捜査官だった真凛・S・スチュワートが、対策室を去ってから約1ヶ月が過ぎていた頃。
彼女が担当するはずだった事件の捜査はこの時期から、「後輩」に当たるヘレン・アーヴィング捜査官が引き受けるようになっていた。かつては対策室最強とも謳われていた女傑は組織に適応し切れず、後進にその座を譲らざるを得なかったのである。
だが、特務捜査官としての地位と権限を失おうとも彼女のやることに変わりはない。むしろ組織という枷が外れたことにより、かつての女傑は水を得た魚――否、「人魚」のようにノバシェードを追い続けていた。
◆
北欧某国の首都・エンデバーランドの東部に隣接しているギルエード山地。その山岳地帯の地下深くに隠されていたノバシェードの怪人研究所は、かつて対策室最強と恐れられた「女傑」の潜入を許していた。施設内部に繋がっていた地下水路から侵入して来た女豹は、研究所を警備していた戦闘員達の死角に忍び込んでいたのである。
――薄暗い研究所の最深部。その一室には、カツンカツンというハイヒールの足音が響き渡っている。扇情的な青いチャイナドレスを纏う絶世の爆乳美女は、その豊穣な果実と安産型の爆尻をたぷんたぷんと揺らしながら、静かな足取りで歩みを進めていた。
くびれた腰を左右にくねらせ、蠱惑的に足を運ぶ彼女の足元には、多くの男達が呻き声を上げて倒れ伏している。意識が混濁している彼らの視界に辛うじて映っているのは、スリットが深く入ったドレスによって強調された、白く肉感的な美脚であった。
「ぐっ……ば、馬鹿な……! 俺達は改造人間なんだぞ……!? なんでこんな、ただの人間如きにィッ……!」
旧シェードの失敗作とはいえ、曲がりなりにも人間を超えた力を持っているはずの改造人間。そんな自分達が生身の人間、それもたった1人の女に敗れている事実を受け止め切れず、男達は痛み以上の苦しみに悶えている。
そんな彼らを一瞥する妖艶な女探偵――真凛・S・スチュワートは、ウェーブが掛かった黒のロングヘアを靡かせ、哀れな戦闘員達を冷たく見下ろしている。凛とした美貌をより艶やかに彩る冷酷な眼光が、男達を真っ直ぐに突き刺していた。
「……改造人間と言っても、所詮は生身の人間よりはほんの少しだけ丈夫という程度の粗悪品。旧シェードにとっては売り物にもならない程度の失敗作なのだから、当然でしょう?」
「貴様ぁああッ……! 必ず殺してやるッ! その身体を隅から隅まで嬲り尽くして、女に生まれたことを後悔させてやるぅうッ……!」
氷のように冷たく、それでいて艶やかな真凛の美貌。その怜悧な貌に反して彼女の肉体は凄絶なほどに扇情的であり、チャイナドレスを内側から押し上げる特大の爆乳と爆尻は、僅かに身動ぎするだけでぷるぷると揺れ動いていた。
「そう、それは楽しみね。それが叶うだけの力があなた達にあれば、の話だけど」
「ぐぅうぅッ……!」
その白く豊穣な肉体からは濃厚な女のフェロモンが滲み出ており、この狭く薄暗い研究室は、彼女の肢体から漂う芳醇な匂いで充満している。そんな色香に惑わされ、油断し切っていた男達は皆、彼女の華麗なハイキックでノックアウトされてしまったのである。
(……なんなんだ、この女の蹴りは……! 大した威力でも無いはずなのに、身体に力が入らなくなる……!)
(仮面ライダーでもない生身の女如きに、何故俺達が……! これが対策室最強の特務捜査官と名高い、真凛・S・スチュワートだというのかッ……!?)
例え改造人間であろうと元が生身の人間である以上、人体の「急所」は共通している。
顎を横薙ぎに蹴られて脳を揺さぶられてしまえば、たちどころに平衡感覚を失い、まともに立つことも出来なくなる。その弱点を顧みず、力任せに真凛の肉体を組み敷こうとした男達は、相応の報いをその身で味わう羽目になったのだ。
「真凛・S・スチュワート……! 貴様だけは絶対にタダでは済まさんッ……! 貴様の同僚達も家族も、皆殺しにしてくれるッ!」
「……その手の口説き文句は対策室に居た頃もお約束だったけれど、いい加減聞き飽きて来たわね。語彙力まで同じ。よほど教養に恵まれなかったのかしら」
「き、貴様ぁあぁーッ! 我々ノバシェードを……舐めるなァァッ!」
だが。人の身と引き換えに得た改造人間としての力が、生身の人間1人にすら通じない現実など、並の精神力で受け止められるはずもなく。微かに余力を残していた最後の1人は真凛の挑発に乗り、ふらつきながらも彼女目掛けて襲い掛かろうとしていた。
「その上……堪え性もない。つくづく救えないわね」
無論、そんな緩慢な動きで彼女を捕らえられるはずもない。真凛は敢えて柔肌に触れられる寸前まで引き付けると、そこから勢いよく優美な背を仰け反らせ、細くしなやかな両手を後方から地に着ける。
「んっ……!」
その弾みで、豊満な乳房がどたぷんっと弾む瞬間。後方倒立回転の要領で振り上げられた真凛の白い美脚がピンと伸び、鮮やかな弧を描いて男の下顎を爪先で蹴り上げてしまうのだった。
衝撃の反動で特大の爆尻がぶるるんっと揺れ動き、下から顎を打ち抜かれた男の身体が浮き上がって行く。ドレスの裾が倒立によってふわりと舞い上がり、その下に隠されていた「絶景」が露わになる。
「……残念、ハズレよ」
「ごはぁァッ……!?」
だが、顎を蹴り上げられ天を仰いでいた男に、その「絶景」を拝める瞬間は訪れなかった。蹴りによって一瞬身体が浮き上がっていた彼はドレスの下を目撃する暇もなく、仰向けに倒れ込んでしまったのである。
妊娠・出産に最適な安産型のラインを描いた、白く豊穣な極上の爆尻。その白い実りに深く食い込み、雄の興奮を掻き立てる匂いを振り撒いていたTバックのパンティ。そんな「絶景」を目にすることも出来ないまま、男は大きな物音と共に転倒していた。
「女の誘い方がなってないわね。……あぁ、だから力に拘るのかしら?」
その様子を見届けた真凛は体勢を立て直して素早く立ち上がり、「悪足掻き」を仕掛けて来た男をはじめとする戦闘員達を見渡している。すでに全員が戦闘不能となっていたが、彼女の眼に慢心の色は無い。
――そこには、他者を慈しむ優しさの色も無かった。彼女の白く優美な手は、スリットにより強調された太腿に伸びている。
「誇れるモノが自分の中に無い男に限って、単純な暴力に縋る。改造人間だろうと生身の人間だろうと……下衆の思考回路は変わらないものね」
その肉感的な脚に装備されたダガーナイフの白刃は、研究室の電灯に照らされ妖しい輝きを放っていた。
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