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Ⅹ世、実力主義の意味を知る。
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ようこそボンゴレⅩ世。実力至上主義の教室へ 作:コーラを愛する弁当屋さん
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Ⅹ世、実力主義の意味を知る。
「……てな感じかな」
「そうか」
初日に起きた事や感じた事をリボーンに話した。
間違った事を言ったら蹴られんじゃないかって覚悟してたけど、意外にも話が終わるまでリボーンは何も口を挟んで来なかった。
「……よし。それでは結果発表だ」
「え? 結果発表?」
リボーンはどこからともなく手持ちサイズのホワイトボードを取り出した。そして、ホワイトボードに付属されているペンを取ると何かをスラスラと書き始めた。
「よし。では発表するぞ」
どこか重々しい空気感を醸し出しながら、リボーンはゆっくりとホワイトボードを裏返した。
「……ジャン! 70点だな」」
ホワイトボードには、デカデカと70点と書かれている。ちなみにそれだけではなく、端っこの方に小さく「高校生になっても足が短けぇ」って書いてある。
「70点って……何がだよ?」
「抜き打ち! ツナの観察力! に決まってんだろ?」
「いやいや! 初めて聞きましたよ!?」
「当たり前だろ。抜き打ちなんだからな」
「ぐ……まぁ、そうかもしれないけど!」
リボーンは、スーツの内ポケットから何かの紙を取り出した。
その紙は折り畳まれていて、リボーンは紙を広げると、紙に書かれている内容を読み出した。
「え〜。入学式からホームルームが終わるまでに、お前に気づいて欲しかった事が10個ある。だが、お前が気づいたのは7個だけ。だから70点だ」
「ええ!? 10個もあんの? ……てか、お前ずっと近くで見てたのか?」
「いや。俺は自己紹介の時以外は、ずっとこの部屋にいたぞ?」
「え、じゃあなんで俺が気づけなかった事が分かるんだよ?」
俺の質問に、リボーンがニヤケながら答えた。
「ふっ。忘れたのか、ツナ。俺には情報収集に特化した子分達がいる事を」
「あっ! そういえば、そんなのいたなぁ。じゃあ春の子分達って事?」
「そうだぞ」
「……ちなみに、春の子分達って何? やっぱり虫?」
「教えてやろう」
リボーンが指をパチンと鳴らすと、俺のカバンから鳥が飛び出して来た!
「うわぁぁ! なんだ!? いつ入られたんだ!?」
飛び出した鳥達は、リボーンのハットのツバ部分に仲良く3匹並んで止まった。
「春の子分達はスズメだ」
『チュンチュン!』
「春だけ可愛いなぁ。……ってか何で俺の鞄に!?」
「数時間飛び続けて疲れたから、帰りはツナに送ってもらおうと思ったらしいぞ」
『チュンチュン!』
「あ、そうですか……」
スズメは可愛いので文句を言う気にはならず、俺は話題を元に戻すことにした。
「で、俺が気づけなかった3つの事ってのはなんなの?」
リボーンは窓からスズメ達を外に飛ばし、勉強デスクに座り直した。そして俺に向けて指を一本立てる。
「まず一つ目。監視カメラだ」
「監視カメラ? 確かにあったけど……それが何? 監視カメラが設置された学校くらい沢山あるだろ?」
「ポイントは設置されてることじゃねぇ。設置された数だ」
「……設置された数? あっ」
「気づいたか?」
そういえば……敷地内はもちろん、学校内にも至る所に監視カメラが設置されていたっけ。
「確かにすごい数だったかも……」
「だろ? 教室にも仕掛けられてるしな」
「うん……え? 教室にもあった?」
「なんだ、気がつかなかったのか? 上手く隠されているが、確かに数台設置されてんぞ」
「まじか……明日確認しよう」
続いて、リボーンはもう1本指を立てた。
「2つ目。PPについてだ」
「PPなら先生に確認しに行っただろ?」
「まあな。でも一つ確認してなかった事がある。よく思い出せ。担任の茶柱はこうも言っていたぞ、『そして、このポイントで買えないものはない。敷地内でも、学校内でもな』とな」
「……ポイントで買えないものはない、敷地内でも学校内でも……あっ」
確かに気になる。
買えないものはないって、本当に制限がないのか?
そして、学校内でポイントを使って買うものって何があるんだ?
「ポイントで買えないものはない……それって本当に制限がないのかな、それに学校内でポイントを使って買うものってなんかある? 買い物は学校外のショッピングモールでするし……」
「そう、そこだ。敷地内で買えないものはないってことは、文面まま敷地内にあるものなら何でも買えるって意味だろうな。しかし、学校内でも買えないものはないって事は全然違う意味を持つんだ」
「違う意味?」
リボーンは深く頷いた。
「想像してみろ、お前が期末テストで基準点にあと一点足りなくて赤点扱いとなり、夏休みに補習を1人で受ける事になったとする。しかし、その時に何でも買えるお金があったら、お前はどうする?」
「そりゃぁ、一点でいいから売って下さいって先生に頼みに行くさ。……あ! そういう事!?」
「そうだ、学校内でも何でも買えるポイントとなれば、いろんな時に役に立つって事だからな」
「なるほど……」
続いて、リボーンはもう1本指を立てた。
「最後の3つ目。この学校が実力至上主義だって事だ」
「ああ、茶柱先生が教えてくれたヒントだろ? どういう意味かは分からないけど」
「はぁ、やっぱりダメツナだなぁ。よく考えろ? 生徒達の事を監視カメラで監視している学校で、その学校は実力至上主義。つまり、生徒の事情とかは考慮せずに、学校内での行動や、学力とかの実力だけで生徒の事を判断する学校だって事だろうが」
「! そういう事だったのか……え、じゃあ実力不足と判断されたら?」
「簡単に退学になるだろうな」
「えええ〜っ!?」
驚きの余り叫んでしまう。リボーンに「うるせぇ」と顔を蹴られた事で、何とか我に帰った。
「ど、どうしよう。俺、学力はまだまだ低いよ!?」
「そんな事知ってるぞ。だから、そうならないように準備をしておくんだ」
「えっ! 準備?」
そう聞き返すと、リボーンは机の上に一冊の厚い本を置いた。
本の表紙には『ツナ用中学総復習ドリル』と書かれている。
「ツナ用……総復習ドリル?」
「そうだ。このドリルには中学で学ぶ内容が詰め込まれている。これさえやっとけば、高校の勉強にいきなり躓くことは防げるはずだ」
「え、まさかこれを全部やれと?」
「心配すんな。期限は一週間やるぞ。必ず一週間でやりきれ」
「一週間!? 無理無理! こんな分厚いやつ無理だって!」
「言い訳はいいからやれ。ボンゴレの10代目になるんだろうが」
泣き言を言ったら、リボーンが俺の膝上に飛び降りて俺の胸ぐらを掴んだ。
「……わかったよ。やるよ」
そして、それから一週間かけて俺はドリルを全て終わらせたのだった。
—— 一週間後 ——
「ふぇぇ〜」
「……どうした沢田。お疲れみたいだが」
「ああ、うん。ちょっとこの一週間寝る時間を短くしてたからね、疲れたのかも」
午前の授業が終わり、昼休みになった途端に机に突っ伏すと、後の席の綾小路君が心配して話しかけてくれた。
「なんだ、夜更かしか?」
「ううん。中学校の勉強の復習をしてたんだよ。俺は頭良くないからさ、いきなり勉強で躓きたくないじゃない?」
「へぇ、沢田って結構真面目なんだな」
「あはは、真面目ではないと思うよ?」
綾小路君とは前後ろの席と言う事もあって、休み時間に話したり昼飯を一緒に食べるくらいには仲良くなっていた。
綾小路君は他のクラスメイト達と積極的に関わろうとしない。だから、クラスメイトと話しているのは俺以外では隣の堀北さんしか見た事がない。
2日目以降、なぜか他のクラスメイト達から絡まれることが少なくなってきてる気がしてるから、綾小路君が仲良くしてくれるのは助かっている。
あ、入学式の天使こと櫛田さんはよく話しかけてくれるけど。
2回ほど放課後にお茶に誘ってもらえたのに、総復習ドリルを終わらせるために速攻で帰宅しないといけなくて断ってしまっていた。
……二度と誘ってもらえなかったらどうしよう。まぁ、それは置いといて。
(来月以降のPPの事を皆に注意喚起してからだよなぁ……)
結局、俺の話を無視して湯水の様にポイント使いまくってる人が沢山いる。でも何人かは俺の話に耳を傾けてくれたから、話をした事は無駄じゃないと思う。
でも、使いまくってる人達の来月以降が心配だなぁ……
それに、監視カメラの事も伝えたのに、授業中に私語やこっそり別の事をしてる奴ばっかりだった。まぁ俺もリボーンに会うまではあんな感じだったから、人の事とやかく言えるわけじゃないけど。
これが来月の査定にどれくらい影響するんだろうか。
「……ふん。綾小路君も少しは沢田君を見習ったらどう? 沢田君は今日の小テストで75点取ってたけど、あなたは50点じゃなかったかしら」
「……わぁ、はっきり言われて俺傷ついたわ〜」
「いや、全く気にしてないだろ? 真顔だし」
堀北さんが会話に加わって来た。堀北さんも綾小路君と同じで、クラスメイトと関わろうとしないタイプだ。いや、綾小路君以上な気もするけど。
たまに俺達の会話に加わってはくれるけど、堀北さんの方から話しかけて来る事はない。一学期中にもう少し仲良くなりたいなぁと思ってるんだけどね。
そこから会話が続く事はなく、堀北さんは1人でどこかに行ってしまった……
「……俺達も飯行こうか」
「……だな、今日はコンビニにするか……」
そんなこんなで日々は過ぎ、ついに5月1日を迎えた。
—— 5月1日 朝 ——
「……よし。確認してみよう」
登校準備を終えて、学生証端末を開く。
今日はついにPPの振り込み日なのだ。
「何ポイントかなぁ……え?」
PPのページを開いてみると、表示されたのは昨日の夜と全く同じ数値だった。
「……80,000ポイント。増えたのは0ポイント?」
0ポイントなんてことあり得るのか? もしポイントを使い切ってる生徒がいたら、その生徒はどうやって生活して行けと言うんだろう。
「……生活態度や授業中の態度も気をつけていたのに。なのに、どうして0なんだ?」
俺が学生証端末を見て固まっていると、リボーンが俺の肩に乗って覗き込んできた。
「ほぉ、0ポイントか。こりゃあやべぇな」
「……う、うん」
リボーンにダメ押しの一言を言われ、暗い気持ちで学校に向かった。Dクラスの教室に入ると、PPの事で大騒ぎだった。
—— Dクラス教室 ——
「おい! お前ポイント振り込まれたか?」
「いや、振り込まれてねぇよ!」
「ちょっと! 振り込まれないと、今日の晩ご飯食べれないじゃない!」
「俺なんて、今朝ジュース買えなかったぞ!」
皆の騒ぎ声を聞きながら自分の席に着く。すでに綾小路君と堀北さんは席についていて、俺が座ると、なんと堀北さんから話しかけられた。
「……おはよう沢田君」
「えっ! お、おはよう堀北さん、綾小路君」
「ああ、おはよう沢田」
「……沢田君、自分のPPを確認した?」
「ああ、うん。増えてなかったよ」
「……そう。やっぱり沢田君の言ってた通りになったわね」
「……だな」
皆に監視カメラやPPについて話をした後、2人はその話をしっかり考えてくれていた。だから2人ともPPがもう無いって事はないはず。
「2人とも、PPはまだ残ってる?」
俺の質問に2人は頷いた。
「ああ、贅沢とかしなかったしな」
「ええ、元々節制するのが好きなのよ」
「そっか、よかった」
2人との会話が終わり、鞄を机に掛けると同時。教室の前のドアが開き、茶柱先生が入って来た。
「茶柱せんせ〜。ポイントが振り込まれてないんですけど〜?」
教卓に着くなり、本堂君が先生に質問する。
「ふむ。いいだろう。ホームルームの時間だが、ポイントについて話してやろう。えー、まず第1に、ポイントはすでに振り込みが完了している、システムエラーなども起きてはいない」
「ええっ!? でも、振り込まれてなかったよな!?」
「ああ! 昨日と同じ金額しか表示されないぞ!?」
「……ふっ」
近くの席の奴と振り込みされてない事を確認し合う生徒達。その姿を見て、茶柱先生は呆れた様な薄ら笑いを浮かべた。
「全く……お前らは本当に愚かな生徒達だな」
「はぁっ!? お、愚かっすか?」
「本堂、少し黙ってろ」
威圧する様な茶柱先生の声によって本堂君もたまらず黙り込む。
全員が口を閉じたのを確認すると、茶柱先生は話を続けた。
「遅刻欠席、合わせて95回。授業中の私語や携帯やゲーム機を触った回数391回。よくもまぁ、一月でここまでやらかせるものだなぁ」
「!」
そこまで話した茶柱先生は、俺の方を見て冷ややかな笑みを浮かべた。そして先生は一枚の大きな紙を黒板に貼り付けた。紙にはA~からDクラスの名前、そして何やら数字が記載されている。
「沢田、お前の知りたかった事を教えてやろう。この学校では、個人ではなく、クラスの成績や評価が毎月のPPに反映される事になってるんだ。そして、4月におけるDクラスの評価は0。PPはクラスの評価×100が振り込まれる。つまり、今月のDクラスの生徒に振り込まれるPPは0×100で0。0ポイントというわけだな」
茶柱先生の言葉に、クラスから悲鳴のような言い訳が飛び交う。
「え、じゃあ、今月0ポイントで暮らせってのか!?」
「そんな話……聞いてないし!」
そんな生徒達を嘲笑うかの様にフッと笑い、茶柱先生は話を続ける。
「只の高校生のお前達が、何の制約もなく毎月100,000ポイントも貰えると本気で思っていたのか? 常識で考えてありえないだろう」
ここで、クラス一の不良キャラである須藤君が食いつく。
「だから……そんな話聞いてねぇっての!」
須藤君が食いついた事で、何名かも「そうだそうだ」と加勢するように声を上げる。
そんな生徒達に、茶柱先生は冷たい視線しか返さない。
「入学時に説明があったはずだ。この学校は、実力で生徒を測るのだと。しかも、私はポイントについて説明した時にこうも言った。お前達には、それだけのポイントを払う価値が〝今は〟あるとな。決してこれからもその価値が有るとは言ってし、来月も100,000ポイント与えると明言していないのに、毎月100,000ポイントを貰えるんだとお前達が勝手に勘違いしたんだ。……なぜ疑問を持たない? なぜ疑問をそのままにしておくんだ?」
茶柱先生が全員を見回し、ニヤリと笑う。
「見たところ、数名の者がこの事に気づいていたようだな。しかし、その事を確認しに来たのは沢田だけだったぞ」
茶柱先生の最後の一言を聞いて、ポイントを使い果たしたであろう者達から俺に避難の目線が向けられる。
「沢田! 気づいてたのかお前!」
「なんで教えねぇんだ! 自分さえ良ければそれでいいのか!?」
ついには野次が飛んできてしまった。俺がどう答えようか迷っていると、茶柱先生が野次る奴を諌めてくれた。
「いやいや、沢田はクラス全員にその事を周知していたはずだが? PPの事だけじゃなく、普段の生活態度についてもな。お前達がそれを煩いと言って跳ね除けたんじゃないのか?」
「ぐっ……」
野次っていた生徒達は、茶柱先生の言葉で思い出したのか押し黙ってしまった。
「……これでわかっただろう? Dクラスのお前達は、評価が0のクズだと言う訳だ」
茶柱先生のしばらくの間Dクラス内を静寂が支配する。そして、そんな静寂を破ったのは堀北さんだった。
「先生。その紙のクラス名の隣に記載されている数字は何ですか?」
「これか? これはクラスごとのポイント、CPクラスポイントの表だ。このポイントは、リアルタイムで生徒を査定して数値化したものだ。ちなみに、このポイントの査定システムをSシステムという」
(Sシステム……。自分だけじゃなく、クラス全体の評価を上げないといけないのか)
現在のCPは……
Aクラスー940
Bクラスー650
Cクラスー490
Dクラスー0
(……なんか、違和感があるような気がするけど)
各CPに違和感を感じながらも、茶柱先生の話に集中することにした。
「先生、ポイントの増減の詳細を教えてくれませんか?」
「それはできない。実社会と同じだ、社員の査定基準を社員に教えるのか否かは企業次第。この学校では査定基準は公開しないことになっている」
平田君が質問をするも、茶柱先生により一刀両断にされてしまった。
「よし、これでホームルームは終……おっと、一つ言い忘れた事があった」
ホームルームを終わらせようとした茶柱先生は、何かを思い出した様で再び話始めた。
「この学園は、卒業後の希望進路を必ず叶えるという話を聞いた事があるか?」
クラス全員が茶柱先生の質問に頷く。それが目的でこの学校に入る人がほとんどだろうしね。
「そうか。そんなお前らに残念なお知らせだ。卒業後の進路希望を叶えて貰えるのは、卒業時にAクラスに在籍していた生徒だけだ」
『はぁっ!?』
衝撃の事実に再びクラスがざわつき出した。
「当たり前だろう。全員が希望を叶えるとか、世の中にそんな甘い話はない」
(進路の希望を叶えたいなら、Aクラスに在籍していないといけない。なら……)
俺が思った事が正しいかを確認するため、茶柱先生に話しかける事にした。
「……先生」
「なんだ? 沢田」
「そういう事なら、Aクラスに上がる方法もあるって事ですよね」
俺の質問に茶柱先生は頷いて答える。
「そうだな、あるぞ」
「Sシステムはクラスごとの評価。なら、クラスの序列を上げる為にはクラス全体での評価を上げないといけないんでしょうか?」
追撃の質問をすると、茶柱先生はニヤリと笑った。
「その通りだ。各クラスの序列は、CPで決まる。つまり、このクラスがAクラスのCPを越えれば、このクラスがAクラスとなるわけだ」
そう言うと、先生はもう一枚大きな紙を黒板に貼り付ける。その紙には小テスト点数一覧と書かれていて、クラス全員の点数が記載されているようだ。
「CPを上げたければ、毎月の査定の向上と定期テスト等で良い結果を出すしかない。しかし、このクラスの学力はこの通りだ。揃いも揃ってクズみたいな点数だなぁ」
確かに、ごく数名を覗いて殆どが60点以下しか取れていなかった。俺も75点で良いとは言えないし。
クラス中が苦い顔をしている。
しかし、先生は更に追加の爆弾を投下する。
「それから。小テストでは見逃すが、中間や期末テストで赤点を取った者は即退学とするから注意しろよ」
『!』
キーンコーン、カーンコーン。
ホームルーム終了のチャイムが鳴り響く。
爆弾投下で皆が固まっている中、今度こそ教室から出て行こうと教壇を降りる先生。しかし、教室のドアの所で立ち止まり、こちらに振り返った。
「これからは普段の生活態度から気を付けるんだな」
そう言うと、茶柱先生はバタンとドアを開いて教室から出て行った。
茶柱先生が消えたクラスでは、1時限目が始まるまで誰1人として口を開く事はなかった……
読んでいただきありがとうございます♪
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