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八条学園騒動記

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第七百話 工作員の表の仕事その九

「あの報道ではだ」
「落ちぶれただの言っていましたね」
「ドイツ皇帝がな」
「小国の主になり下がったと」
「あれを観てだ」
「大尉も怒られましたね」
「流石に我は忘れなかったが」
 貴族何よりも士官としてそれは保ったのだ。
「冷静さはな」
「忘れないことですね」
「さもないとな」
「士官そしてですね」
「貴族としてだ」 
 まさにというのだ。
「失格だ」
「左様ですね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「私もな」
「冷静さはですね」
「守ったが不愉快であることはな」
「事実でしたね」
「ああした報道ばかりだ」
 連合はというのだ。
「エウロパに関してはな」
「罵倒も多いですし」
「この国にいるとそれがだ」
「嫌になりますね」
「これが敵国に潜入しているということだな」 
 こうもだ、大尉は言った。
「自国の不愉快な報道にもだ」
「触れますね」
「そうなる」
「それに耐えて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「任務を遂行していこう」
「そうしていきますね」
「このままな、それでだが」
 大尉は上等兵にあらためて話した。
「今度学園に入るか」
「八条学園にですか」
「そうだ、そしてだ」
 大尉は上等兵にさらに話した。
「学園の中博物館や美術館それに図書館もだ」
「観て回りますか」
「動物園や植物園もな」
 こうした場所もというのだ。
「キャンバスの中だけれでなくな」
「そうした施設もですか」
「テーマパークもだ」
 学園の中にあるそちらもというのだ。
「観て回る」
「学生や職員の為の娯楽施設ですね」
「そうであると共にな」
「憩いの場でしたね」
「そうした場所もな」
「観て回るのですか」
「あの学園の理事長は誰だ」 
 大尉は上等兵に問うた。
「一体」
「八条義統です」
 上等兵は即座に答えた。
「連合中央政府国防長官である」
「そうだな」
「同時に八条グループの後継者です」
「連合屈指の企業グループのな」
「そうですね、かなりの傑物です」
「八条義統長官はエウロパ最大の敵の一人だ」 
 八条学園の理事長である彼はというのだ、とはいっても連合中央政府国防長官の職務に多忙で実施あの仕事は代理の者が行っている。
「その彼の学園だからな」
「それで、ですね」
「一度な」
「中に入り」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。 
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