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X ーthe another storyー

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第十八話 秘密その十四

「運命の一つの区切りがな」
「迫っているか」
「そんな感じやな」
「そうだな、天の龍もな」
「自分の選択以外でな」
「皆揃ってな」
 そうなってというのだ。
「それでや」
「剣のことを知り」
「手に入る、そしてや」
「俺の選択もだな」
「いよいよや、そう考えたらな」
 それこそというのだった。
「ほんまな」
「運命の一つの区切りがだな」
「迫ってるわ、それでや」
 ここでだ、空汰は。
 真剣な顔になってだ、神威を見て告げた。
「ええか、何があってもな」
「その運命の一つの区切りの中でだな」
「そや、負けるな」
 こう言うのだった。
「どんなことがあってもな」
「それでもだな」
「前を向くんや、それでや」
 空汰は神威にその顔でさらに言った。
「わい等もおる」
「そうだな、皆いてくれるな」
「お前は一人やないんや」
「小鳥、封真がいてだな」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「わい等がおる、そやからな」
「頼ればいいか」
「そういうことや、何でも言うてくれ」
 今度は気さくな笑顔で告げた。
「背中も横もな」
「護ってくれるか」
「そして支えたる、わい等はな」
「俺の仲間だからだな」
「友達と言うてもええやろ」
「そうした間柄だからか」
「何があっても一緒におるからな」
 神威が地の龍を選ぶかも知れない、空汰は今はそうしたことは全く考えていなかった。そのうえでの言葉だった。
「それでや」
「運命の一つの区切りの中で」
「こうした時は相当なことが起こることも有り得るが」
 それでもというのだ。
「わい等もおるからな」
「頼ればいいか」
「ああ、全力で支えるで」
「だから安心して」
 嵐も同じだった、空汰の考えと。
「貴方がどんな困難、絶望や悲しみや苦しみを受けても」
「それでもか」
「私達がいるわ、一人で立てなくても」
「支えてくえるか」
「必ずね」
 まさにというのだ。
「そうしていくわ」
「そうか、皆がそう言ってくれるならな」
「信じてくれるかしら」
「勿論だ」
 笑顔と共の返事だった。
「皆のことはわかっているからな」
「そう、それではね」
「ああ、頼らせてもらう」
「これからもね。では少しの間ね」
「お別れだな」
「暫く東京をお願いね」
「わかった、任せてくれ」
「何かあったら残っている人達にお話して」  
 護刃達にというのだ。
「対応して」
「ああ、じゃあな」
「またすぐにね」
「会おう」
 神威は笑顔で応えた、そうしてだった。
 二人は一時とはいえ東京を後にした、そのうえで皇昴流のいる場所に向かった。いよいよ最後の天の龍が東京に来ようとしていた。


第十八話   完


                  2023・3・1 
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