イベリス
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第九十九話 お盆が終わりその十一
「まあそんな人のところにいたから忍耐力備わることはね」
「あるのね」
「けれど心に傷負うし」
トラウマである、暴力は人の身体を傷めつけるだけでなく心も傷付ける。だからこそそれを振るう教師は論外なのだ。
「やっぱりね」
「よくないわね」
「若しどんなに怒ってもビンタ一発で済ませる先生がいて」
「それは暴力かっていうと」
「体罰でやっぱりよくないけれど」
それでもというのだ。
「こうした先生が羨ましいと思える様な暴力教師のところにいるなら」
「よくないのね」
「すぐにそんな先生から離れることよ」
「そうすべきなの」
「ええ、あと教えることが上手なのはって咲ちゃん言ったけど」
愛はこちらのことも話した。
「これが出来てない先生もね」
「多いわよね」
「生徒に教えるんじゃなくて」
本来はそれが授業の目的である。
「自己満足ただやってるだけ」
「授業を」
「それだけの先生はね」
「教えるの下手なのね」
「だから授業わからないと言われても」
生徒から直接だ、他のも実家の仕事やればいいと言われるケースもある。
「改善もね」
「しないの」
「もう授業はね」
それこそというのだ。
「自分がお仕事してるっていう」
「自己満足ね」
「生徒のことはね」
「どうでもよくて」
「それでよ」
「そうした授業するのね」
「理解してもらうとか」
生徒達にというのだ。
「そうした考えはね」
「最初からないのね」
「ただもうね」
「自己満足、お仕事してるって」
「最悪お給料貰える」
「それだけね」
愛は嫌そうに述べた。
「特に公立だとね」
「そっちの学校だと」
「もうよ、授業してるだけで」
「お給料貰えるのね」
「公立の先生は公務員だからね」
それ故にというのだ。
「暴力やセクハラが隠蔽されるのなら」
「授業が全然わからない位下手でも」
「普通ならそれって無能ってことだけれど」
それでもというのだ。
「無能でもね」
「犯罪者がクビにならない社会なら」
「もうよ」
「それ位何でもないのね」
「そうよ、教えるの上手なこともね」
「普通は必須よね」
「塾の先生ならクビになっても」
教えることが下手ならというのだ。
「公立の先生はね」
「定年まで続けられるのね」
「ただやってるだけで」
授業をというのだ。
「黒板に向かって言ってるだけでも」
「書いて」
「それだけでもやっていけるのよ」
「だから駄目な先生多いのね」
「そうよ、けれど無能でも」
愛はまたこう言った。
「セクハラ暴力をしない」
「そうしたことする先生が多いから」
「咲ちゃんが今日会ったっていう人達ならなのね」
「勿論人を教えることにやる気があってね」
「上手かなろうと努力してくれるなら」
「それに越したことはないけれど」
それでもというのだ。
「それだけでもね」
「なっていいのね」
「その条件はあるわ、だから咲ちゃん別にね」
彼等に色々言われたがというのだ。
「悪くはないわ」
「そうなのね」
「高校生がタイプじゃないっていう人も」
「それはそれでいい」
「だから気にしないでね」
「そうね、お姉ちゃんに言われてわかったわ」
咲は愛に笑顔で応えた。
「それじゃあもう忘れるわ」
「そうしてね」
「ええ、じゃあまたね」
「またね」
二人で別れの言葉を交わしてだった。
咲は電話を切って家のことに戻った、そしてこの日の夜も楽しく過ごしたのであった。
第九十九話 完
2023・2・15
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