イベリス
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第九十九話 お盆が終わりその十
「注意してよ」
「見ていくことね」
「それでおかしな先生だったら」
「近付かないことね」
「言うこともね」
このこともというのだ。
「気をつけないとね」
「いけないのよね」
咲も深刻な顔で言った。
「私だって」
「本当に暴力を平気でそれも嬉々として振るう様な」
「そんな先生もいるから」
「だからね」
こう咲に話した。
「やばいと思った先生にはね」
「近寄らないことね」
「何されるかわからないから」
「何かされてからじゃ遅いから」
「下手したらヤクザ屋さん以上にやばい人がいてね」
「その数も多いのがよね」
「学校の先生だから」
それ故にというのだ。
「気を付けてね、咲ちゃんの学校はそんな先生はそうはいないみたいだけれど」
「いる可能性あるわよね」
「そう、あるから」
だからだとだ、愛はさらに話した。
「気をつけることよ」
「くれぐれも」
「先生様とか言われても」
「その実は違うわよね」
「むしろヤクザ屋さんよりもおかしな人が多い」
「そんな風ね」
「だから今お話した様な」
そうしたというのだ。
「女子高生に一切興味ない人はね」
「先生になるべきね」
「それで殴る蹴るの暴力振るわないなら」
「もっといいのね」
「まあこれって人として普通だけれど」
本来はそうだがというのだ。
「それが中々ね」
「学校の先生の場合は」
「そうもいかないのよ」
「おかしな人ばかりいるのね」
「だからね」
「そうした人であるだけで」
今話している様な人間ならというのだ。
「もうなのね」
「かなりね」
「ポイント高いのね」
「暴力を振るわなかったらね」
「ものを教えるの上手だとじゃないのね」
「いや、暴力はね」
「それ以前の問題ね」
「誰が自分を殴る蹴るだけの人から教わりたいのよ」
咲に対して言った。
「そもそも」
「それはね」
「怖いと思っても慕えないでしょ」
「絶対にね」
「ましてや尊敬なんて」
自分に暴力を振るう様な相手をというのだ。
「絶対に無理でしょ」
「本当に怖いと思うだけね」
「怖いと思って」
愛は自分の言葉を続けた。
「そのうち嫌って憎むでしょ」
「そうなるわね」
「これは先生だけじゃなくて誰でもね」
「同じよね」
「自分を殴ったり蹴ったりする相手はね」
「ただ嫌い憎むだけね」
「そんな人から誰も教わりたいと思わないから」
強い言葉で言い切った。
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