DQ3 そして現実へ… (リュカ伝その2)
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家族喧嘩
<エコナバーグ>
「次、ラーミアの番~!」
「いや、だから…ラーミアはダメだって…」
リュカの首に垂れ下がり、何やら我が儘を言っている少女ラーミアと、心底困り顔で彼女を宥めるリュカ。
「あの…一体何がダメなんですか!?」
気になってしょうがないアルルは、珍しく困り果てているリュカに尋ねてみる…
「「………」」
しかしリュカもビアンカも、更に困るだけで説明はしてくれそうにない。
すると…
「ラーミア、リュカのお願いきいたの!なのにリュカ、ラーミアのお願いきかないの!」
と、少女ラーミアが騒ぎ出す。
「ラーミアちゃん…どういう事か詳しく説明してくれる?」
困り切っているリュカの存在が嬉しいアルルは、この事態の全てを知る為に、少女ラーミアを手繰り寄せ優しく情報を引き出そうとする。
「あ、ちょっと…」
このまま有耶無耶にしたいリュカは、アルルを止めようとしたが…
「一方的にラーミアちゃんへ言う事をきかせて、自分は何もしないなんて酷すぎですよ!ジャッジは僕等が行いますので、先ずは状況確認させてもらいますから!」
と、ティミーが父を押し止めた。
どうやらティミーもリュカの困惑原因を知りたい様だ。
「あのね…リュカ、ラーミアに言ったの!『ビアンカと2人きりだから、もっとゆっくり飛んで』って!だからラーミア、ゆっくり飛んだ!」
どうやらリュカは、ビアンカと2人きりの時間を長く味わおうと、ラーミアに飛ぶ速度を落とさせた模様。
「そしたらリュカとビアンカ、ラーミアの上で交尾を始めたの!」
「「「「え!?」」」」
ラーミアの突然のワードに、一同が驚きの声を上げる!
「だから次はラーミアの番なの!ラーミアもリュカと交尾するの!!でもリュカ、ラーミアのお願いきかないの!!」
「「「…………………………」」」
誰も何も言えなくなるアルル一同…
「おう、我が息子!ジャッジしろよ…状況が判ったんだろ!早くジャッジしてみろよ!」
どうやら自ら進んで地雷を踏んだ勇者カップル…
何時も傍迷惑なリュカに、一泡ふかせてやりたくて根掘り葉掘り聞き出したのだが、今更ラーミアが間違っているとは言えなくなり、困り果てる2人…
「ラーミアちゃん…アナタはお父さんと交尾出来ないのよ。何故ならアナタは人間の事を解って無いから…」
マリーが突然、困惑している兄カップルを助けるべく、少女ラーミアを手繰り寄せ説得を始めた。
「ラーミア、人間の事が解ってないのか?」
「そうよ…先ず『交尾』って言葉は使わないし、1度ダメって言われたのに、しつこく迫るのもダメなの!」
「そうかぁー…人間は『交尾』って言わないかー!じゃぁ何て言う?」
「そう言う事は自分で調べる物なのよ。人に聞いたのでは、本当の意味で人間の事を解った事にならないの。もっと人間の事を理解して、そうしてからお父さんにお願いしてみてね♥」
「うん。ラーミア頑張る!マリー、ありがと!」
何だかよく解らないながらも、解らないからこそ納得してしまった少女ラーミア…
リュカ・ビアンカもティミー・アルルもホッと安堵する事が出来た。
「ありがとうマリー。助かったよ…」
ティミーが事態を収拾してくれた妹に礼を言う。
「良いのよお兄ちゃん。何時も助けて貰っているお返しだから」
マリーは可愛らしく兄にウィンクしてみせる。
そして、そのウィンクに嫉妬するウルフ…
「何だよ…ジャッジ出来ないなら、しゃしゃり出るなよ!」
有耶無耶にしたかったのに、大事へ発展させた息子カップルに文句を言うリュカ。
「普段の行いが悪いから、こう言う時にこう言う目に遭うのよ!もっと自重する様に心がけてよ!」
だがマリーは、父を押さえ込むかの様に強気に出た。
ここ最近、父に酷い目に遭わされている事への意趣返しの様だ。
「自重する僕など、最早 僕では無い!そんな常識的なパパが欲しいなら、どっか余所の家の子になりなさい!我が家のパパはこれがスタンダードです!」
反省の色が微塵も見えない父親に、心底苛つく愛娘…
ビアンカもリュカの後ろで頷きまくる…それがマリーを一層苛つかせていた。
珍しく、家族間で言い争いをするリュカファミリー。
しかし何時までも、このままのワケにはいかないので、エコナが代表して騒ぎの沈静化に乗り出す。
「しかし…空の上でヤるとはなぁ…何考えてるんや!?」
「はぁ…まったくです!父さんの非常識さには、言葉もありませんよ!」
ラーミアとの事はともかく…
場所を選ばない父に呆れるティミー。
「そうは言うけどねティミー…大空で大好きなビアンカと『交尾』するのは、新鮮で燃えるシチュエーションだったよ!お前も試してみれば?」
「そうよね…やっぱりマンネリって良くない物ね!…でもティミーとアルルちゃんには、まだ訪れてないでしょう。今はまだ、普通のでも新鮮なのよ!」
真面目ッ子カップルには、到底理解出来そうにない両親の奇行。
この夫婦は、イチャイチャを止めることなく息子に自慢している。
そして傍らでは、そんな夫婦の奇行を一生懸命メモるウルフが目撃された…
マリーもドキドキしながら、これからの自分たちに期待を寄せている。
そして喧嘩ムードだったのが、各カップルのラブラブムードへと変わる、世間一般とは違う一家をエコナ等は痛感するのだった。
大丈夫か、この一家?
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