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ハッピークローバー

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第七十七話 海の家から移りその二

「お金稼いでも」
「大抵あぶく銭ってものでね」
「残らないみたいね」
「ヤクザ屋さんが貯金とかね」 
 一華も首を傾げさせて言った。
「ちょっとね」
「イメージ湧かないわよね」
「明日ブスリとかズトンとかでね」
「死ぬかも知れないし」
「ギャンブルとかお金とか女の人にね」
「お金どんどん使って」
「それでね」
 そうした生き方でというのだ。
「貯金とかね」
「しそうにないわね」
「もうお金は」
 それはというと。
「そうしたことを考えたら」
「真面目に働いてね」
「稼いでこそよね」
「それが第一よ」
「本当にね」
 まさにというのだ。
「人間お金はね」
「真面目に稼ぐ」
「それが一番よ」
「まああれよね」
 ここで富美子はこんなことを言った。
「人間明日も知れないとね」
「そんな人生なら」
「お金を残すなんてね」
 そうしたことはとだ、富美子は一華に話した。
「しないわね」
「ヤクザ屋さんはそうした一面もあるわね」
「やっぱりね」
「切った張ったで」
「アウトローな世界にいるとね」
「悪いお金の稼ぎ方して」
「それで使い方もね」
 こちらもというのだ。
「あぶく銭でね」
「それでよね」
「そんな生き方だから」
「尚更なのね」
「お金は残さないのよ」
「貯金しないで」
「そうでしょ、しかしね」
 それえもとだ、富美子は一華に話した。
「私達は少なくとも今は表にいるでしょ」
「普通の世界にね」
「ヤクザ屋さんの世界になんかいないから」
「真面目に働いて」
「それで稼いで」
 そうしてというのだ。
「使うべきよ」
「そうよね」
「理想は不労所得だけれどね」
「それが理想?」
「私としてはね、例えばマンション持っていて」
 富美子は一華に話した。
「その家賃でね」
「働かないで暮らす」
「それが出来たら」
 それならというのだ。
「もう言うことないわ」
「そうなの」
「ええ、あくまで理想だけれどね」
「そうは出来ないわね」
「それネオニートっていうのよね」
 留奈は富美子の理想を聞いて言った。
「そうよね」
「収入ある働かない人ね」
「株とかでもそうだけれど」
「財産で食べてる人ね」
「自分のね、ニートはニートでも」
「ちゃんと収入ある人ね、それって」
 どうかとだ、一華は言った。 
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