博士の挑戦状

　　　　　　　　　　　　第三十九話　　楽しんでから
　博士はビールを飲みだして言った。
「お好み焼きにはこれじゃな」
「焼きそばやたこ焼きにもですよね」
「うむ、所謂粉ものにはな」
「どれも大阪の食べものなんですよね」
　小田切君はビールを缶からジョッキに入れて飲む博士に応えた、見ればそのジョッキは一リットルのものである。
「これが」
「そうじゃな」
　博士もそれはと応えた。
「これが」
「串カツもなんですよね」
「うむ、大阪人はビールに合うものが好きじゃな」
「そうですね、というかです」
　小田切君はお好み焼きも食べる博士にさらに言った。
「これがビールだけじゃないんですよね」
「お好み焼きに合うのはな」
「焼酎にも合いますね」
「そこは人それぞれじゃな」
「お酒の好みですね」
「そうじゃな、焼酎もよいしな」
　博士は今はビールを飲みつつ話した。
「梅酒もよいし酎ハイもな」
「いいんですよね」
「左様、しかしな」
　ここで博士はこうも言った。
「わしはこうしてじゃ」
「ビールですね」
「お好み焼きとか粉ものにはな」
「一番いいですね」
「冷えたビールじゃ」
　言いつつまた飲む。
「幾らでも飲める」
「実際どんどん飲んでますね」
「最近ワインをよく飲んでいるが」　
　実際博士はワインがかなり好きである。
「しかしな」
「今はビールですね」
「これが一番よいとな」
「思われてますね」
「うむ、だからな」
　それでというのだ。
「今日はネロ＝ウルフ並に飲むぞ」
「あの人ビール滅茶苦茶飲んでますよね」
「一日五・八リットルか」
「そこまで飲みますか、博士も」
「今日はな」
　言いつつさらに飲む博士だった、そして。　
　博士は焼きそばやたこ焼きも口にした、そうしながらビールをジョッキに入れつつさらに飲むのだった。


第三十九話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　２０２３・２・２４