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ハッピークローバー

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第七十六話 愛国心その八

「上本町のね」
「あの辺りのお店でしょ」
「ハイハイタウンだったかしら」
 その店があった場所はというのだ。
「あそこの近鉄百貨店があって」
「その横のよね」
「そう、道路を挟んで」
 かな恵は大阪人としてウェールズの娘に話した。
「ここにいたら大阪のこともね」
「時々家族で行ってるけれどね」
 それでもという返事だった。
「基本寮にいるし」
「それじゃあ神戸位よね、詳しいの」
「どうしてもね」
 学校が神戸にあるからだというのだ。
「そうなってるわ」
「やっぱりね、それじゃあ詳しくお話させてもらうけれど」
「ハイハイタウンね」
「食べもののお店が沢山あって百貨店みたいになってて」 
「そうした建物ね」
「そこにあったお店らしいのよ」
「そのお店は」
「ゲームグッズとかゲームの雑誌や本を売っていて」
 かな恵は店自体のことも話した。
「そこの店員さんでその時サリン撒いたテロがあって」
「カルト教団がよね」
「拉致したり殺したりで」
「他にもね」
「滅茶苦茶やっていたところが警察に捜査受けてね」
 歴史に残る一大捜査であり当時話題はこのカルト教団一色であった、兎角大変な事件であり騒動であった。
「大騒ぎで」
「その悪事が知られていた時に」
「俺は権力に反対するんだったらいいってね」
「店員さんが言ったのよね」
「平気な顔でね」
 それで以てというのだ。
「サリン撒いて拉致して沢山の人を殺して」
「その中でも沢山人殺してるわよね」
「クーデターも考えていて」
 それも本気でだ。
「やりたい放題だったけれど」
「その殺人とかを全部なのね」
「権力に反対するならね」
 それならというのだ。
「いいって言ったのよ」
「じゃあ自分が殺されてみる?」 
 非常に冷たい目でだ、ウェールズの娘は言い切った。
「その教団にね」
「権力に反対する人達が殺人してもいいならね」
「じゃあまずはね」
「自分が殺されてみる?よね」
「殺される人の気持ち考えたら?」
 冷たい目のままこうも言った。
「どれだけ痛くて辛くて無念か」
「理不尽に殺されてね」
「残された遺族の人達の悲しみや苦しみもね」
「そういうの一切考えないで言ってるのよね」
「考えようともしないでね」
「うちの学校で有名な話なのよね」
 ハイハイタウンにあったこの店の店員の話はというのだ。
「実は」
「私達でも知ってる位ね」
「こんな人どう思うかって」
「皆そんな馬鹿こそ殺されろってなってるわね」
「私もそう思うし」
 かな恵は眉を曇らせて言い切った。
「本当にね」
「そうよね」
「その人法律いらないってね」
「それで殺人もいいってね」
「言ってるのよね、ちなみにこの人皇室と戦前の日本がね」
「今話してる通りに」
「大嫌いで」
 こうした考えでというのだ。 
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