ハッピークローバー
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第七十六話 愛国心その二
「もう」
「そうした人の言うことは」
「もう全部おかしいってね」
「そうとしか思えないわね」
「そんな人が学校の先生にいたりするけれど」
今の日本では残念ながらそうである。
「そんな人の言うことは」
「聞かないで」
「聞くだけ無駄よ、間違っているのは道理だから」
それこそとだ、かな恵に話した。
「だからね」
「それでよね」
「聞かないで自然と」
そうして持つというのだ。
「生まれ育った国を好きになってね」
「愛すればいいのね」
「何が問題なのよ」
それこそというのだ。
「自分の国を好きになって」
「そうよね」
「他の国しかもね」
「北朝鮮みたいなおかしな国好きになるよりは」
「遥かにいいでしょ」
「戦前の日本だって悪い国じゃなかったし」
「それは問題もあったでしょう」
戦前の日本にもというのだ。
「イギリスだってね」
「問題あるわよね」
「色々あったからね」
その歴史ではというのだ。
「世界的に言われることも多いし」
「イギリスの場合は」
「ウェールズの王様でもあるね」
「イギリスの王様ね」
「日本の皇室の比じゃない位ね」
それこそという口調での言葉だった。
「ゴシップあるから」
「そういえばそうね」
かな恵もそれはと応えた。
「イギリスの王家ってね」
「代々ゴシップあるでしょ」
「そうよね」
「ヘンリー八世なんかね」
イギリス国教会を創設したこの王はというのだ、歴史的に非常に評判が悪い王として知られている。
「女好きですぐに人の首を刎ねる」
「文字通りにね」
「奥さんと別れて次の奥さんと強引に結婚して」
この時の騒動で国教会を創設している。
「その新しい奥さんもね」
「別れたくなってよね」
「無茶苦茶な理由付けてね」
「浮気したとか」
「その罪をでっちあげて」
この王妃はアン=ブーリンという。エリザベス一世の生母である。
「離婚して新しい奥さん迎えて」
「それで首刎ねたのよね」
「こんな無茶苦茶な王様もいたし」
イギリスにはというのだ。
「侵略戦争なんてね」
「数えきれないっていうのね」
「それでも正しいって言ってるしね」
「今も」
「当時からね」
コナン=ドイルもその一人であった、ボーア戦争についてもかなり強引にイギリス軍の行いを擁護している。
「そうだったし日本なんてね」
「イギリスと考えたら」
「全然ね」
それこそというのだ。
「マイルドよ」
「マイルドなのね」
「統治もね」
「朝鮮半島とか」
「そうだしね」
「それじゃあなのね」
「別に悪くはね」
戦前の日本はというのだ。
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