新オズのカボチャ頭のジャック
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第九幕その五
「蚊は刺してこないでしょ」
「あっ、どうしても」
「蚊っていますよね」
「特に夜に」
「プ~~~ンって飛んできて」
「そうして刺してきますね」
「当然オズの国にも蚊はいるけれど」
それでもというのです。
「刺してこないのよ」
「刺されると嫌ですよね」
「後で痒くなるから」
「そこからマラリアとかにもなって」
「怖いんですよね、蚊って」
「実は」
「私アレクサンドロスさんに聞いたの」
オズマはここである人のお名前を出しました。
「この人もオズの国におられるけれど」
「あのマケドニアの王様ですか」
「戦争で負けたことのない」
「物凄く強い人ですね」
「英雄で有名ですが」
「あの人もオズの国におられるんですね」
「今はね。あの人も外の世界ではね」
そこにおられる時はというのです。
「蚊に刺されてね」
「あっ、そうらしいですね」
「それでマラリアに罹って」
「それでお亡くなりになってますね」
「三十三歳で」
「物凄く強かったのに」
「だから私にもお話してくれたの」
そのアレクサンドロスさんがというのです。
「オズの国は蚊が刺してこないから」
「嬉しい」
「そう言われてるんですね」
「蚊が刺してこなくて」
「マラリアにもならなくて」
「それで、ですね」
「そうお話していたら」
そうだったというのです。
「あの人もね」
「ううん、蚊も怖いって言うけれど」
ジャックも言います。
「蠅とかもね」
「外の世界では疫病もあるでしょ」
「蚊や蠅はその元にもなるんだね」
「そうよ、けれどね」
「オズの国ではそれもないね」
「蚊も刺さないからね」
オズマはジャックにもお話しました。
「だからね」
「凄くいいんだね」
「このことでもね」
まさにというのです。
「お伽の国だけあってね」
「蚊がいても刺してこない」
「そうよ、病気もないしね」
「風邪すらないしね」
「だからいいのよ、それにしても」
オズマは首を傾げさせてこうも言いました、蛍が浴衣姿の彼女の周りを何匹も飛んでいてとても奇麗です。
「アレクサンドロスさんって凄く強いでしょ」
「うん、怪力で足も速くてね」
「剣も素手の格闘もね」
「馬に乗るのもお上手で」
「それでオズの国では戦争はないけれど」
それでもというのです。
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