八条学園騒動記
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第六百九十七話 弱肉強食とその一
弱肉強食と
ベン達が焼肉とワインを食べたと聞いてだ、彰子は同じ日本人である七海に言った。
「焼肉って私達もね」
「結構食べるわよね」
「そうよね」
「韓国料理だけれど」
「随分日本にも馴染んでるわね」
「そう、それでね」
七海はこうも言った。
「焼肉定食もね」
「定食の定番よね」
彰子もそれはと応えた。
「まさに」
「その一つよね」
「定食っていったら」
彰子はさらに話した。
「ハンバーグに海老フライ、鯖味噌にね」
「焼肉よね」
「そんなところよね」
「あとは豚カツとかコロッケとか」
「そんな風ね」
「けれど韓国だと」
七海は考える顔で話した。
「定食自体がね」
「日本料理って扱いでね」
「韓国料理にはないみたいね」
「そうね、韓国のお昼は」
この時の食事はというと。
「ビビンバとか麺類とか」
「ソルロンタンとかね」
「キムチは食べ放題で」
「そんな風よね」
「そうよね」
こう七海に話した。
「大体ね」
「あちらはね」
「だから焼肉定食はあって」
「食べてもね」
「あくまで日本のお料理で」
「韓国料理じゃないのよね」
「定食自体が韓国料理にないから」
だからだというのだ。
「定食って日本のものね」
「本当にね」
「だから焼肉定食も」
「焼肉は韓国料理でも」
「日本のお料理ね」
「そうなるわね」
七海は頷きつつ話した。
「まさに、それに」
「それに?」
「日本語のテストとかでね」
「テスト?」
「ほら、弱肉強食ってね」
「ああ、その言葉ね」
「弱と強の部分にね」
この四字熟語の二つの部分にというのだ。
「その二文字を入れる問題あるでしょ」
「よくあるわね」
彰子もそれはと答えた。
「もうそうした問題の定番よね」
「まさにね、けれどね」
「そこによね」
「そう、弱と強じゃなくて」
この二文字でなくというのだ。
「焼と肉を入れて」
「焼肉定食ね」
「そう書く人いるわね」
「いるわね」
実際にというのだ。
「それで合ってるか」
「というとね」
「間違いなのよね」
「これがね」
こう二人で話した、だが。
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