ハッピークローバー
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第七十五話 合宿最後の日その五
「脚気になったわ」
「そうだったわね」
「それで軍隊でもね」
「白いご飯ばかりで」
「おかずを食べないで」
そうしてであったのだ。
「兎に角白いご飯ばかりね」
「食べて」
「それでどんどんね」
「脚気になって」
「深刻な問題になったけれど」
多くの犠牲者を出すまでにだ。
「食事療法だって気付かれても」
「海軍さんがね」
「それでもね」
「あの人は頑として認めないで」
「脚気菌があるとか言って」
これは彼がドイツで細菌学の権威コッホに教わったからである、それで細菌について非常に敏感であったのだ。
「必死にね」
「脚気菌を探していて」
「栄養の問題だって認めないで」
「沢山の人が犠牲になったのよね」
「日露戦争でもね」
「陸軍の上の人達が麦飯にしようと言っても」
海軍の様にだ、桂太郎達が主張した。
「それを軍医の立場から認めないで」
「その結果だからね」
「大勢の犠牲者出したから」
「そのことを皆教わってるから」
かな恵は貝柱の握りを食べつつ応えた。
「あの人はね」
「この学校じゃ評判悪いのよね」
「かなりね」
「酷い人ね」
「そう、それで私はお寿司はね」
貝柱の味を楽しみつつ話した。
「大好物で」
「食べられるならなのね」
「こうしてね」
実際にというのだ。
「楽しんでね」
「食べてるのね」
「そうなの」
こう言うのだった。
「あって食べないことなんてね」
「考えられないのね」
「とてもね、これでお酒もあったら」
「尚よしね」
「そうよ、まあ合宿が終わったら」
酔って真っ赤になっている顔で話した。
「一華ちゃんに言われたの」
「ああ、いつも一緒にいる幼馴染みの」
「あの娘にね」
まさにというのだ。
「合宿終わったら暫く飲まない方がいいって」
「皆飲んでるからね、それでかな恵ちゃんは」
「その中でもかなり飲んでるでしょ」
「私が見てもね」
実際にとだ、かな恵本人に話した。
「そう思うわ」
「肝臓に負担かけてるしカロリーもね」
「かなり摂ってるから」
「暫くの間はね」
「禁酒ね」
「そうしないと駄目って言われたわ」
「それがいいわね、皆ね」
ウェールズの娘は自分も含めて話した。
「今回の合宿で毎晩飲んでるから」
「それも相当ね」
「だからね」
それでというのだ。
「私だってね」
「禁酒ね」
「合宿が終わったら」
それからはというのだ。
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