| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十五話 合宿最後の日その三

「私無理よ」
「暑くて食べられないわよね」
「もうね」
 それこそというのだ。
「食べられないわ」
「私もよ」
「けれどあの人はね」
 泉鏡花はというのだ。
「細菌恐怖症で」
「あっ、熱消毒ね」
「何でもそうして」
 そのうえでというのだ。
「お口にしていたから」
「それでなのね」
「夏でもね」
「湯豆腐だったのね」
「それでお酒もね」
 こちらもというのだ。
「沸騰させるまで火を入れた」
「熱燗だったの」
「もうぐらぐらって」
 そこまでというのだ。
「沸騰させた」
「アルコール飛んでない?」
 ここまで話を聞いてこう言った。
「それだと」
「それでもね」
「細菌が怖いから」
「だからね」
 その為にというのだ。
「お酒もよ」
「そうして飲んでいたの」
「それで生ものは」
「私達今お刺身とお寿司食べてるけれど」
「絶対にね」
「食べなかったのね」
「そうだったの」
 かな恵は冷えた酒を飲みながら話した。
「お水も沸騰させた」
「お湯ね」
「それ飲んでたし」
「徹底していたのね」
「私には無理よ」
 かな恵は言い切った。
「お酒熱燗も飲めるけれど」
「夏は冷たくないと」
「出来ればロックで」
 こちらでというのだ。
「飲みたいわ」
「そうよね、日本だとね」
「お酒冷えてるでしょ」
「夏はキンキンにね」
 かな恵に笑って話した。
「ビールなんか特にね」
「他の国だと冷やさないのよね」
「そうそう、日本はね」
「夏は特に冷やすけれど」
「ビールもね」
「けれど日本以外では冷やさなくて」
「そのままね」
 ウェールズのことも頭に入れつつ話した。
「飲むのよ」
「そうよね」
「けれど私はね」
「冷えたお酒いいでしょ」
「好きよ」
 かな恵に笑顔で話した。
「今もこうして」
「日本酒もね」
「冷えてるから」
 それを飲んでいてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧