恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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最終話 物語、大団円を迎えるのことその二
「これで終わりだ!観念しろ!」
「ふん、まだだ!」
「私達にも意地があります」
こう言ってだ。二人はまだ戦場に踏み止まっていた。しかしだ。
百万の戦士達に完全に囲まれてだ。そしてだ。
彼等の歌を受け続けてだ。その顔を苦悶で歪ませてだ。
そうしてなのだった。その姿をぼやけさせてきた。
その二人を見てだ。怪物達が言った。
「この世界での戦いがこれでね」
「完全に終わるわ」
「この世界での戦乱はもう数百年は起こらないわ」
「多分。この世界でも次の統一王朝は隋になるでしょうけれど」
晋ではなくだ。隋になるというのだ。
「その王朝になるまではもうね」
「大きな戦乱は起こらないわよ」
「そうか。世界によってはそれまで戦乱が起こってもだな」
「ええ、この世界ではね」
「それはないわ」
「そうか。それは何よりだ」
二人の話を聞いて満足した笑みで浮かべる華陀だった。そしてなのだった。
華陀も怪物達も歌う。しかしその歌は。
劉備達の歌とは違っていた。何とだ。
「絶叫!漢道」
「歌うわよ!」
恐怖の歌が出されようとしていた。戦場で大爆発が起ころうとしていた。だがその前にだった。
于吉も左慈もだった。百万の歌に耐え切れずだ。
遂にこの世界での身体を滅ぼしてしまった。彼等もしゅっと消え去ったのだった。
後に残ったのは何もなかった。それを見てだった。
劉備は満足した顔になりだ。歌を中断して言ったのだった。
「これで。本当に」
「はい、終わりました」
「戦いが遂にです」
孔明と鳳統もだ。満足した顔で主に応える。
「長く激しい戦いでした」
「ですがこれでもう」
「そうね。私達は勝ったのね」
このうえなく満足している顔で言う劉備だった。
「戦いが終わってそして」
「はい、平和を勝ち取りました」
「この世界とあちらの世界の」
彼女達によって世界は確かに救われたのだった。それもそれは一つではなかった。
そのことをだ。アンディも感じ取りだ。
そのうえでだ。こうテリーに言ったのだった。
「これで。もう」
「ああ、俺達の道を歩めるな」
「そうだね。長く辛い戦いだったけれど」
「楽しくもあったか?」
「いい仲間達に出会えて一緒にいたからね」
それでだと話すアンディだった。
「だからね」
「これでな」
こう話してだった。彼等も勝利を噛み締めていた。しかしここで。
急にだ。百万の大軍を何かが襲った。それは。
爆発だった。草原にいる百万の大軍をだ。
次々に爆発が襲いだ。彼等は吹き飛ばされた。
そしてその上空にだ。何時の間にか怪物達がいてだった。
宙を舞いつつ歌いだ。こんなことを言っていた。
「あたし達の歌が締めよ!」
「これで最後よ!」
こう言ってなのだった。彼女達の歌を歌う。その歌によってだ。
勝利を収めた百万の軍勢を次から次に起こる大爆発で吹き飛ばしたのだった。その爆発の中でだ。
あちこちが黒焦げになり焼けてもしまった曹操がだ。何とか立ち上がりながらだ。
そのうえでだ。こう漏らしたのだった。
「さ、最後の最後で何なのよ」
「まさか彼等、いえ彼女達が歌うとは」
「想像していませんでした」
夏侯惇も夏侯淵もだ。何とか立ち上がりながらだ。
上空を舞いつつ歌う彼等を見てだ。そして言ったのだった。
「折角勝利を収めたというのに」
「何故ここでこうなるのか」
「訳がわかりません」
「まさか最後であの者達が出て来るとは」
「そうね。本当にね」
曹操は何とか我を保ちながら言った。
「勝って兜の緒を締めろね」
「はい、全くです」
「その言葉の意味がよくわかりました」
最後の最後でだ。この言葉を肌身で感じた戦士達だった。何はともあれだ。
戦士達は勝った。そうしてだ。
意気揚々と都に街宣してだ。そのうえでだった。
勝利を祝う宴に入った。その中でだ。
陳琳がだ。拡声の宝貝を手にだ。こう告げていた。
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