仮面ライダーAP
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北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第19話
「がっ……はぁあっ……!」
曽祖父の遺産を失った悲しみに暮れる暇もなく、宙に放り出されていたヴィクトリアの身体がアスファルトの上を転がって行く。瓦礫に背中から激突してようやく停まった彼女は、息を荒げて肩と爆乳を上下に揺さぶっていた。
「ヴィクトリアッ!」
外骨格のおかげで怪我一つ無く生還したヴィクトリアの側に、ニッテとエヴァが慌てて駆け寄って来る。
くびれた腰を左右にくねらせ、巨尻と乳房をぶるんぶるんと揺らしながら駆け付けて来た2人は、倒れていたヴィクトリアの上体をゆっくりと助け起こしていた。外傷こそ無いようだが、それでもあまりの衝撃に身体が動かなくなっているようだ。
「……奴め、機関銃を失ったのだから少しは怯まないかッ……!」
「ヴィクトリア、大丈夫!?」
「かなり強く背中を打ったようだけど……!」
「平気だ2人とも、ラングニルの外骨格が無ければ即死だったがな……! だが不味いぞ、このままでは残ったレンが集中的に狙われてしまうッ!」
自身も激突のショックで身体が麻痺している状態だというのに、それでもヴィクトリアは今もなおRCに狙われ続けているレオナの身を案じていた。
コマンドバッシャーを執拗に狙い、瓦礫を何度も放り投げているRCを阻止しようと、他の解放戦線のメンバー達や新世代ライダー達も総攻撃を仕掛けているのだが――圧倒的な装甲強度を誇るRCは、どこ吹く風と言わんばかりにレオナの命を狙い続けている。
「こっちを見ろ鉄屑野郎……! 見ないなら殺してやるッ……!」
「奴め……! 多少ダメージを負ってでも、レンを確実に潰そうとしているなッ!」
AKS-74を撃ち尽くした阿須子はその銃身を躊躇なく放り捨て、巨乳の谷間に忍ばせていたリボルバー拳銃「コルトパイソン」に持ち替えていた。
白く豊満なFカップの巨乳と94cmの極上巨尻をたぷんたぷんと弾ませながら、マグナム弾を連射している阿須子。そんな彼女の隣で、ラングニルも全弾を使い果たす勢いでRL-6を撃ち続けている。
可愛らしくも肉感的な彼女の安産型ヒップも、銃撃の反動でぷるぷるっと揺れ動いていた。だが、2人の銃撃も全く意に介していないのか、RCは彼女達の銃弾を防ごうともしていない。
ラングニルの言う通り、ある程度のダメージを覚悟してでも、レオナのコマンドバッシャーを優先的に排除しようとしているのだ。足止めすら叶わない現状に、阿須子もラングニルも悔しげに顔を歪めている。
「いかん……! 外骨格を着ていないレンまでヴィクトリアのように放り出されたら、間違いなく即死ものだッ! スフル、リリエラ、カミラ! 一旦ここは任せた、私はレンの援護に向かうッ!」
別の場所からRCと輸送車を狙っていた朔夜も、使用していたステアーAUGとM203グレネードランチャーが弾切れになってしまったらしい。彼女はその銃身を投げ捨てながら、腰のホルスターから大型リボルバー拳銃「S&WM500」を引き抜いていた。
「……喰らえぇッ!」
その長い銃身の先にある銃口が火を噴いた瞬間、野戦服の下に隠されたFカップの褐色巨乳がどたぷんっと弾み、安産型の巨尻がぷるんっと揺れる。雄の獣欲を掻き立てる甘い汗の匂いがむわりと漂い、彼女の凛々しい貌を蠱惑的に上気させていた。
「りょ、了解っ! 皆、朔夜を守るよっ!」
「朔夜さん、気を付けて下さいねっ!」
「怪我しないで帰って来るんだよーっ!」
マグナム弾を連射しつつ、乳房を揺らして遮蔽物から飛び出した朔夜はレオナの「救援」に向かうべく、桃尻を弾ませてその場から駆け出そうとしている。そんな彼女の移動を援護するべく、スフル、リリエラ、カミラの3人もそれぞれの愛銃を撃ち続けてRCを牽制していた。
一方。幾度となくRCの鉄拳に打ちのめされながらも、死力を尽くして立ち上がろうとしている4人の新世代ライダーは、レオナの窮地に拳を震わせていた。
「くそッ、なんて奴だ……! 俺達全員を相手にしながら、それでもあの子を優先的に潰そうとしていやがるッ!」
「……やはり彼女達を守り抜くには、このロボット怪人を何とか黙らせるしかないようだ。まだ一度も実戦で成功したことはないが……『アレ』をやるぞ、皆!」
「あぁ……俺達も今、それしかないと思っていたところだ!」
「迷っている時間はない、行くぞッ!」
血反吐を吐きながらも立ち上がった男達は互いに頷き合うと、ベルトのスイッチを操作して各々のマシンをこの場に呼び出して行く。自動運転で駆け付けて来たGドロンとGチェイサーに乗り込んだ彼らは、RCの周囲を取り囲むように超高速で旋回し始めた。
「仮面ライダー!? あいつら、何して……!」
「もしや、レンへの狙いを外させようとしているのか……!?」
その行動にニッテが爆乳を揺らして驚く中、いち早く彼らの思惑を察したラングニルが桃尻を弾ませて声を上げる。レオナに集中している狙いを外させた上で、RCを確実に食い止めるための「新必殺技」を繰り出すべく、ケージ達はそれぞれのマシンでRCの周囲を走り回っているのだ。
「仮面……ライダー……!?」
そんな彼らの勇姿にレオナが瞠目する中。RCを中心に周回を続ける4台のマシンが、最高速度に達する。エンジンから噴き出す猛煙が辺りを包み、RCの視界を塞いで行く。
4人掛かりで怪人の周囲を煙で包み込み、目眩しと高速移動で反撃を封じる「スワリング・ライダー車輪」。その合体技から生まれた猛煙でRCを包み込んだケージ達は、この状況を「起点」とする新必殺技を放とうとしていた。
「よし、今だ皆ッ!」
次の瞬間、ベルトのスイッチを操作して全身のエネルギーを両脚に集中させたライダー達が、それぞれのマシンから跳び上がろうとする。
「おうッ――!?」
だが、ケージの合図に合わせて全員が両脚に力を込めた――その時。
「なッ……!」
ターボのGチェイサーに狙いを定めていたRCが、再びアスファルトの破片を投げ付けて来たのである。
コマンドバッシャーのサイドカーを一撃で破壊した超音速の破片投擲。それを土壇場で放たれたターボは回避する間も無く、愛車を木っ端微塵に破壊されてしまうのだった。
「うぐわぁああーッ!?」
「本田ァァッ!」
新必殺技の発動を目前にして、その基盤となるマシンを吹き飛ばされたターボは、為す術もなく宙に放り出されてしまう。それを目の当たりにしたケージ達は攻撃を中断せざるを得なくなり、仲間の身を案じる叫び声を上げていた。
――RCは4台のマシンに取り囲まれながらも、スーパーコンピューターであるLEPの演算能力を介して、ケージ達の動きを分析し続けていたのだ。そのデータから彼らが攻撃を仕掛けて来るタイミングを予測し、そこに合わせる形で破片を投擲したのである。
最高速度に達していたGチェイサーの動きを、寸分の狂いもなく把握した上で。視界を猛煙で塞がれている状態でありながら、僅かな空気の流れと駆動音だけでターボの位置を正確に割り出していたのだ。
(……なんだと言うんだ、コイツはッ……!)
まさに、戦うためだけに練り上げられた生粋の戦闘マシン。約50年に渡って蓄積されて来た、膨大な戦闘データに基づいたその冷酷な強さに、ケージ達は戦慄するばかりとなっていた。
そして、Gチェイサーを破壊され宙に投げ出されたターボは、力無くアスファルトの上に落下して行く。だが、1台のバイクがそこに駆け付けようとしていた。
「……!?」
「これを使ってください、ライダー! あなたを信じて……あなたに託しますッ!」
レオナのコマンドバッシャーが、滑り込むようにターボの真下へと走り込んで来たのである。先ほどまでの一連の流れから、ケージ達の意図を察していたレオナは、Gチェイサーに代わる「足」を届けようとしていたのだ。
「……やぁあああぁーッ!」
自分達のために命を賭け、この街を取り戻そうと戦っている4人の仮面ライダー。彼らの助けになれるならと、覚悟を決めたレオナはコマンドバッシャーから飛び降りてしまう。
(私はどうなっても良い……! だからどうか、奴を追い払ってください! 皆を助けてください! 仮面ライダー……!)
咄嗟に空中で体勢を切り替えたターボが、彼女と代わるようにコマンドバッシャーのシートに着地したのは、その直後だった。彼は咄嗟にレオナを助けようと手を伸ばすが、間に合わない。
最高速度で走りながら運転手を代えるという離れ業をやってのけたレオナは、そのまま宙に投げ出されて行く。外骨格も着ていない生身の肉体が、アスファルトの上に高速で叩き付けられようとしていた――。
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